Jをめぐる冒険BACK NUMBER
“攻撃的ボランチ鎌田大地”を試してみては? 相棒が充実の遠藤航、トップ下に南野拓実か久保建英なら…
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJFA/Getty Images
posted2020/11/14 17:01
ボール奪取に加えてプレービジョンも向上した遠藤航(左)と、ゲームメイク能力を有する鎌田大地。このダブルボランチを試してみる価値はあるのでは?
絶妙だった遠藤の「繋ぎ」と縦パス
後半から登場した遠藤が披露したのは、ひと言で言うと「あらゆるものを繋ぐこと」。持ち味であるボール奪取は言うまでもなく、ディフェンスラインからボールをピックアップして左右に散らし、ときに持ち運び、ときに縦パスをスパンと入れる。決勝ゴールとなる61分の南野拓実のPK奪取の起点となったのも、遠藤が入れた久保建英へのさりげない、それでいて絶妙な縦パスだった。
この働きには森保一監督も「前半なかなかボールをうまく動かせないなか、彼がディフェンスラインから、あるいはサイドからボールを受けて起点になってくれた。チームとしてバランスが整理され、セカンドボールを拾えたり、球際の部分で選手たちの良さが出せるようになった」と称賛を惜しまなかった。
問題点を洗い出し、改善する新リーダー候補
もっとも、こうしたプレー面のみならず、唸らされたのは、そのビジョンだ。
「前半、スタンドから見ていて、拓実や2シャドー(久保と三好)のところが空いていたから、前にパスを付けられればチャンスになるなと。あと、2ボランチが縦関係ではなく横並びになったほうがボールを動かしやすいのかな、ともイメージしていた」
「相手の4バックにプレッシャーを掛ける際、拓実が孤立していた。シャドーをもう少し高い位置に出して、ウイングバックも高い位置に出ていくようにすれば、もっとプレッシャーが掛かるかなと。ブロックを敷いて守るのも悪くないですけど、後半は点を取りに行きたい状況だったので、拓実をアンカーの選手に付けて、シャドーの2人をセンターバックに対して行かせるようにするとか、そういう話をしました」
自身のことだけでなく、チームが抱えている問題点を淀みなく説明し、実際にピッチで改善を試みた姿に、新リーダーの誕生を思わせた。