Jをめぐる冒険BACK NUMBER
“攻撃的ボランチ鎌田大地”を試してみては? 相棒が充実の遠藤航、トップ下に南野拓実か久保建英なら…
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJFA/Getty Images
posted2020/11/14 17:01
ボール奪取に加えてプレービジョンも向上した遠藤航(左)と、ゲームメイク能力を有する鎌田大地。このダブルボランチを試してみる価値はあるのでは?
5度もスルーパスを繰り出した鎌田
鎌田の場合は、ゲームも終盤に入り、パナマのオーガナイズがかなり乱れていたことも大きかった。だが、それでもわずか15分で5度もスルーパスを繰り出し、決定的なチャンスを生んだのは圧巻だった。浅野拓磨と三好がどれかひとつでもモノにしていれば……。
19年の代表活動では1トップに起用され、「1トップは自分には難しい」と明かした鎌田は、念願のトップ下で起用された10月シリーズを受け、今合宿中に「やっぱりトップ下はやりやすい」と語っていた。パナマ戦での圧巻のプレーは、改めてその言葉を証明したものだった。
遠藤にも言えることだが、ドイツで見せている“普段のプレー”を代表のピッチで短時間でもしっかり表現できるところに、頼もしさを感じずにはいられなかった。
メキシコ戦は従来の形になるだろうが
10月、11月に組まれた欧州遠征も、次はいよいよ最後のゲーム。対戦相手はFIFAランク11位、北中米カリブ海の雄、メキシコだ。
パナマ戦は3バックの採用や、南野の1トップ起用、東京五輪世代の三好や板倉の先発起用といったテストの色が濃かったため、メキシコ戦はベストメンバーに近い陣容、布陣で臨む算段だろう。
慣れ親しんだ4-2-3-1が採用され、酒井宏樹や冨安健洋がスタメンに復帰し、パナマ戦で出番のなかった鈴木武蔵や伊東純也も先発起用され、南野も従来のトップ下に入るだろう。
そうだとしても、ひとつ試してみてほしいことがある。
鎌田のボランチ起用だ。
鎌田は自身の適性を「8番か6番」と
鎌田は自身の適性として「8番や6番」だと話している。鎌田の言う「8番や6番」とは4-3-3のインサイドハーフのこと。とはいえ、森保ジャパンは4バック、3バックのいずれにおいてもインサイドハーフのポジションはなく、近いのはトップ下かボランチということになる。
トップ下に南野や久保といったアタッカー色の強い選手を起用するなら、鎌田を攻撃的なボランチ(セグンダ・ボランチ)で試してみてもいいのではないか。頼みの柴崎岳から長短を織り交ぜたダイナミックなゲームメイクが薄れてしまっている今は、特に。
鎌田と遠藤が組むダブルボランチ――。新しい組み合わせや配置転換が、チームに化学変化をもたらす可能性は決して低くない。
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