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19歳の天才・小野伸二、16歳の南野拓実&柴崎岳、悪夢のコンフェデと五輪…vsメキシコ激闘史を見る
posted2020/11/17 17:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Naoya Sanuki
森保一監督率いる日本代表にとって2020年最後の国際親善試合、メキシコ戦が日本時間18日の早朝5時にキックオフされる。
10月に対戦したカメルーンやコートジボワールというアフリカの強豪、そして先日のパナマに続き、北中米でW杯の常連中の常連であるメキシコは格好の強化相手だろう。W杯で7大会連続ベスト16の成績を残しているメキシコは、これまでA代表から世代別代表レベルまで“高い壁”であり続けた。日本サッカー史を彩った選手たちの写真、当時のコメントとともに振り返ってみよう(※NumberWeb以外の外部サイトの方は関連記事『【貴重写真】天才すぎた19歳小野、16歳のヤンチャそうな南野&柴崎、若きカズ&ヒデ…メキシコとの激闘……』よりご覧ください)。
コンフェデ杯で2度対戦した結果は……
メキシコと日本が初対戦したのは1996年5月29日の国際親善試合でのこと(三浦知良らのゴールで日本が3-2で勝利)。A代表における通算対戦成績は1勝3敗と、そこまで多くないのだ。しかし“大舞台で戦っている印象が強い”のは、コンフェデレーションズカップ2大会で対戦しているからだろう。
まずは2005年6月16日、ドイツW杯の前年に行われた一戦だ。両チームにとっての大会初戦、先手を奪ったのは日本だった。12分にスタメン起用された小笠原満男のパスを受けた加地亮のクロスを1トップに入った柳沢敦が合わせて先制ゴールをゲット。「FWは得点しないと意味がない」と語った13番の一撃で勢いに乗るかと思われた。
しかし3-4-2-1システムで臨んだ日本のプレスが、メキシコのパス回しの前に空転。Number631号には小笠原の「自分たちのやりたいことを、メキシコにやられてしまったと思う。守備で走らされて、いざ攻めになったときに力が残っていなかった」という証言が残っている。試合はその後、39分に痛烈なミドルシュートを決められ同点に追いつかれると、後半に入って64分に決勝点を奪われて勝ち点を落とした。
そこから8年後、両国は再びコンフェデの舞台で対戦する。アルベルト・ザッケローニ監督率いる日本は、ブラジルに0-3の完敗、続くイタリア戦は激しい打ち合いの末3-4で敗戦。メキシコも連敗しており、ともにグループステージ敗退が決まっていた。
1勝でも挙げて翌年のW杯につなげたい――その意欲は確かに見えた。遠藤保仁のスルーパスから香川真司が決定機を迎えるなど、当時の日本代表らしい小気味よい攻撃がメキシコ守備陣を脅かす。
しかしそんな日本を打ち破ったのは、当時メキシコのエース、ハビエル・エルナンデスだった。54分、アンドレス・グアルダードがマッチアップした右SB酒井宏樹との駆け引きから鋭いクロスを供給する。これに完璧なオフザボールの動きで走り込んだエルナンデスがヘディング。川島永嗣の守るゴールを陥れたのだ。
“チチャリート”の愛称で知られるエルナンデスは、気落ちした日本を見逃してくれなかった。66分にはコーナーキックがファーサイドに流れたところを再び頭で流し込み、2点目。日本は終盤に岡崎慎司のゴールで1点差に詰め寄ったが、1-2で敗戦した。
「イタリア戦でエネルギーを使い果たして、途中から足が動かなくなってしまった。(足が止まったところを)相手にうまく突かれてしまった」
試合直後、ザックのフラッシュインタビューでの言葉(Number831号)である。テクニカルなだけでなく試合巧者でもあるメキシコの力を思い知らされ、3戦全敗でブラジルの地を後にした。