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2020ドラフト採点、90点の球団は……阪神1位佐藤輝明と柳田悠岐&大谷翔平の共通点って?

posted2020/10/28 19:20

 
 2020ドラフト採点、90点の球団は……阪神1位佐藤輝明と柳田悠岐&大谷翔平の共通点って?<Number Web> photograph by Kyodo News

4球団競合の末、阪神が交渉権を獲得した佐藤輝明。スケールの大きい長打を狙えるスラッガーだ

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議2020。今年は早川隆久(早稲田大)、佐藤輝明(近畿大)に4球団が競合するなど、大学生の1位指名が集中した。改めて12球団の指名を振り返りたい。狙い通りに指名できた球団は?(全2回のセ・リーグ編/パ・リーグ編へ続く)

 1位の単独指名はパ・リーグの1球団(日本ハム)に対してセ・リーグは中日、DeNA、広島の3球団。2019年は広島とDeNA、18年は西武のみ、17年は広島とDeNAが単独指名したというのが3年間の流れである。こうしてみるとパ・リーグは競合するような好選手をリーグの総意で獲得に向かう――パ・リーグに入ればOK――という傾向が見て取れる。それが近年の「パ高セ低」の現象を生んでいるかもしれない。

 とは言っても、今年は春夏の甲子園大会をはじめとして、全日本大学野球選手権(以下、大学選手権)、社会人の日本選手権など、スカウトの前で実力をアピールする晴れ舞台が中止になり、ドラフト候補たちの実力を判断するべき場所が限られていた。単独指名された高橋宏斗(投手・中京大中京高→中日)、栗林良吏(投手・トヨタ自動車→広島)、伊藤大海(投手・苫小牧駒澤大→日本ハム)は投げる機会がもっと多ければ重複する球団はあったかもしれない。

 これらのことを頭に置いて、各球団の指名がよかったのか悪かったのか独断で判断して採点していくことにする。

外れ外れ1位の木澤はワンランク上?

◇ヤクルト 65点◇
× 早川隆久(投手・早稲田大)
× 鈴木昭汰(投手・法政大)
1位 木澤尚文(投手・慶應大)
2位 山野太一(投手・東北福祉大)
3位 内山壮真(捕手・星稜高)
4位 元山飛優(内野手・東北福祉大)
5位 並木秀尊(外野手・獨協大)
6位 嘉手苅浩太(投手・日本航空石川高)
<育成>
1位 下慎之介(投手・健大高崎高)
2位 赤羽由紘(内野手・BC信濃)
3位 松井聖(捕手・BC信濃)
4位 丸山翔大(投手・西日本工業大)

 早川、鈴木を1位の抽選で外したヤクルトは、外れ外れ1位でもやはり東京六大学リーグの好投手である木澤尚文の交渉権を獲得した。ヤクルトが東京六大学リーグの投手を指名したのは2016年2位の星知弥(明治大)以来4年ぶり、1位となると分離ドラフト下の07年大社1巡の加藤幹典(慶應大)以来13年ぶりとなった。

 外れ外れ1位だが木澤は堂々たる本格派である。ストレートは最速155キロを計測し、それ以上に落差の大きいカーブ、大きく横に変化するスライダーや鋭く変化する縦カットボールなど多彩な変化球を四隅に集めて毎試合ゲームメイクできる。近年、ヤクルトはバランス型の投手を多く指名しているが、そういう投手たちとくらべてもワンランク上の球威、変化球の精度を持っていると言っていい。

4位元山飛優は大学タイトル総なめ

  2位以下では4位元山飛優のショートの守備が目立つ。昨年の大学選手権2回戦・創価大戦では、初回のセンターへ抜けそうなゴロをさばいてアウトにしたプレーが今でも記憶に残っている。クリーンアップを打ってきた打撃も安定し、2年春にはMVP、ベストナイン、打率、打点で1位を獲得するなどタイトルを総なめ。現役大リーガーの触れ込みで活躍が期待されたエスコバーがいまいちインパクトを残せていないだけに、1年目からポジション奪取の期待がかかる。

【次ページ】 栗林の“単独指名”は不思議?

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