“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
2020ドラフト採点、90点の球団は……阪神1位佐藤輝明と柳田悠岐&大谷翔平の共通点って?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2020/10/28 19:20
4球団競合の末、阪神が交渉権を獲得した佐藤輝明。スケールの大きい長打を狙えるスラッガーだ
森敬斗に続く2年連続の単独指名
◇DeNA 50点◇
1位 入江大生(投手・明治大)
2位 牧秀悟(内野手・中央大)
3位 松本隆之介(投手・横浜高)
4位 小深田大地(内野手・履正社高)
5位 池谷蒼大(投手・ヤマハ)
6位 高田琢登(投手・静岡商業高)
<育成>
1位 石川達也(投手・法政大)
2位 加藤大(投手・横浜隼人高)
DeNAは1位で入江大生を単独指名した。過去5年では東克樹(立命館大)、森敬斗(桐蔭学園高)に続く一本釣りだ。これを戦略と見る人もいるが私は勇気のない指名と考え、低く評価した。
入江の評価が上がったのは2020年10月11日の法政大戦だろう。高田孝一(法政大→楽天2位)が5回降板したのを横目に9回を7安打に抑えて完封。特に光ったのは4回までの変化球主体の技巧的ピッチングだ。カーブ、カットボール、フォークボール主体に打たせて取る投球を展開、その様子が最初はストレートに自信が持てないように見えたが5回以降ストレートを多用し、法大の強力打線を見事に抑えた。
ただし、4年間の通算成績4勝7敗、防御率2.77がどうしても気になる。縦変化のカーブも先輩・森下暢仁(広島)のようなキレはまだ持ち得ていない。課題克服が長く活躍するポイントになるだろう。
山田哲人を彷彿させる牧秀悟
私が期待するのは2位の牧秀悟だ。20年9月22日の東洋大戦では4回にセンターへ抜けようかという打球を逆シングルで好捕したあと、すぐ体勢を整えて一塁に投げてアウトを奪う華麗なプレーを目撃した。守備範囲の広さ、強肩などプロに入ってもレギュラーを張れる安定感がある。
一方、打撃も3年秋までに71安打を記録し、18年秋は遊撃手として、19年春、秋には二塁手としてベストナインに輝き、19年秋はMVP、19年春には首位打者を獲得している。リストの強いバッティングや二塁というポジションが山田哲人(ヤクルト)を思わせ、私の評価は即戦力。
それでもDeNAの評価が低いのは、球団のドラフト戦略にやや疑問が残るためだ。