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プレミア移籍市場・通信簿 チアゴにベイル、ハバーツ…BIG6以上に大成功したのは?
posted2020/10/21 17:00
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チアゴ・アルカンタラとハメス・ロドリゲス。プレミア初上陸の2人が両チームのメーンキャストとなるか
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井川洋一Yoichi Igawa
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結局、今回のプレミアリーグの移籍市場は、パンデミックの影響をほとんど感じさせなかった。国際移籍が10月5日、国内移籍が10月16日に締め切られたマーケットで、全20クラブは推定総額14億9000万ポンドを費やしている。これは疫病の蔓延の気配さえなかった昨夏と比べて、1割ほどの減少にすぎない。
無観客で試合日の収入が見込めず、従業員からチームマスコットまで削減しようとするクラブがあるなか、今回ばかりは全体的に財布の紐を締めるだろうと予想されていたが、やはりプレミアリーグのクラブには別格の体力があるようだ。
世界中のビリオネアの後ろ盾を持ち、飛び抜けて巨額のテレビ放映権料を享受する彼らは、新型コロナウイルスにも動じないのだろう。少なくとも、この移籍市場からはそう感じられた。
チェルシーが最も多額の投資を
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そのなかで最も多額の移籍金を投じたのは、チェルシーだ。
FIFAからの移籍禁止処分により、昨季は新戦力をひとりも迎えなかったクラブは(クリスティアン・プリシッチは一昨季中に契約を締結)、その鬱憤を晴らすように、カイ・ハバーツ、ティモ・ベルナー、ベン・チルウェル、ハキム・ジエシュ、エドゥアルド・メンディ、チアゴ・シウバといった一線級を次々に獲得。今夏の欧州全体の移籍金最高額となる7200万ポンドで加入したハバーツは、攻撃面で様々なタスクを高次元にこなす21歳の逸材だ。
逆に2シーズン前にGKの史上最高額で加わったケパ・アリサバラガはこの2年間で評価を下げ(昨季のセーブ率はリーグの正GKで最低に)、守護神の座をメンディに奪われそうだ。
また多くの新戦力を迎えた一方で、ダニー・ドリンクウォーターやアントニオ・リュディガー、エメルソン・パルミエリら、過剰戦力を放出できなかったこともあり、スクアッドがだぶついている。試合に出られない選手の心理面の管理を含め、2年目のフランク・ランパード監督の手腕が問われる。