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ラグビー好きのあなたはどの世代?
「厳しい」から「日本は強い!」へ。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAP/AFLO
posted2020/08/27 08:00
2015年W杯の「南ア撃破」は観る人のメンタリティを変える一戦だった。中央には余韻に浸る真壁さんの姿が!
「145点の惨敗」を知る世代。
実は、第一世代と第二世代以降にはメンタリティに大きな違いがある。
糸井さんに「簡単な試合はひとつもありません」と話した人たちは、間違いなく第一世代。この世代は1995年のW杯で日本代表がオールブラックスに145点を取られた惨事の記憶があり、「ラグビーって、厳しいもの」という発想が染みついている。つまり、ファンとしてだいぶひどい目に遭ってきたので、どうにも悲観的な性分なのだ。
ところが、第二世代以降は、W杯でティア1の強豪国に勝っていく日本しか見ていないので、「日本は強い!」というポジティブなマインドになっている。
すでに2018年秋の時点でその萌芽はあった。11月に来日したオールブラックスに対して、日本は31対69で敗れたのだが、後半7分に決定的なトライを奪われ、19対43と点差が開いた瞬間、味の素スタジアムの空気が凍りついた。
観客が、ファンが負けを悟った瞬間だった。
私は、この空気に驚いた。
第二世代のファンは、ジャパンがオールブラックスに勝つチャンスがあると信じていたのだ。
第二世代以降は根っからのポジティブ。
私は1987年11月1日、第1回W杯でニュージーランドが優勝し、初めて来日した時の試合を昔の国立競技場で見た。日本は4対106で敗れたが、観客はオールブラックスが100点に到達したときに拍手をした(私も含めて)。当時のファンは、日本代表に勝つチャンスは万に一つもなく、オールブラックスの強さに感嘆するしかなかった。
それに比べて、第二世代のメンタリティは違う。ジャパンはどの国にだって勝てるというマインドは、スタジアムの空気を変え、それがW杯での素晴らしい雰囲気作りにつながった。
第二世代、そして最大ボリュームを誇る第三世代は、つらい記憶もなく、強いジャパンを目の当たりにしているので、根っからポジティブだ。2023年のフランス大会以降も、「行けんじゃね?」的な前向きの発想で代表を応援していくに違いない。