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ラグビー好きのあなたはどの世代?
「厳しい」から「日本は強い!」へ。
posted2020/08/27 08:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
AP/AFLO
「ほぼ日」と「Number」のラグビートーク@秩父宮ラグビー場前のほぼ日のオフィス。
W杯2019で大活躍した中村亮土選手(サントリー)と、W杯2015で南アフリカを倒した瞬間、そのピッチにいた真壁伸弥さん(昨季、現役を引退)、そして「にわかファン」という言葉を定着させた糸井重里さんをお相手に、僭越ながら司会を務めさせていただいた。
事前の打ち合わせ、ほぼゼロ。方向性を定めないままスタートしたら、これが正解だった。
序盤、糸井さんから興味深い話が提示される。
「去年のW杯が始まる前、いわゆるラグビー“通”の人たちから、日本にとって簡単な試合はひとつもない、と言われたんです」
たしかに、その通り! と大いに首肯してしまった。
ラグビー好きは「三層」に分けられる?
私の見立てでは、いま、ラグビー・ファンは時代別に「三層」に分かれている。
まずは、1980年代のラグビーブームを知っていて、日本代表のつらい時期を知っている層。ここには私も含まれるが、1980年代のNumberのラグビー特集を買っていた人たちで、これが第一世代。
続く第二世代は、2015年のW杯で日本が南アフリカを破った瞬間をテレビで見ていた人たち。この層はW杯2019では、周囲へのインフルエンサーの役割を果たしただけでなく、実際にスタジアムに足を運んだ人たちも多い。
糸井さんは2015年の南ア戦をたまたま深夜にテレビで見ていたことで、第二世代の旗頭となった。「にわかファン」という言葉を広め、にわかというネガティブワードを、ポジティブなものへと変えた(糸井さんの「はらまき」という単語をネガからポジに変えたという話も面白かった)。
そして第三世代は、2019年W杯を見てラグビーに魅せられた人たちだ。