サムライブルーの原材料BACK NUMBER
サンフレッチェ荒木隼人の「note」。
書くことでプレーが向上する理由。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/08/19 15:00
サンフレッチェユースから関西大学に進み、その後サンフレッチェに加入した荒木。昨年11月には日本代表にも初招集された。
プレーヤーとしてダメだったら何の説得力もない。
第10節時点で荒木はリーグ戦全試合フル出場を果たしている。6失点はリーグ最少。空中戦での高さや対人の強さのみならず、読みや駆け引きも光る。
Jリーグの過密日程のなか、彼は平和記念公園内にある広島平和記念資料館に1人で足を運んだ。真摯にその事象と向き合い、己と向き合うためである。
「小学生のころはただただ原爆が怖いという思いだけでした。(プロになって)広島に戻ってきたので、資料館に行くことはずっと考えていました。実際に1人で行ってみて、そこで感じたことが自分のなかにあったので、noteで書きたいと思ったんです」
彼はこれからも書き続ける。
ただ、表現力を身につけたとしても発信力が上がるとは限らない。
発信力そのものを身につけるためには、サッカー選手として羽ばたかなければならない。
「たとえ自分が伝えたいことを発信したとしても、プレーヤーとしてダメだったら何の説得力もない。そこはやはりセット。言葉に説得力を生み出せるような選手にならないといけないと考えています」
真摯に、誠実にインプットしたものを、同じ温度によってアウトプットする。
それはnoteも、プレーも同じこと。
荒木隼人のゴツゴツした味ある文体は、ゴツゴツしたプレーの魅力をも引き出している。