サムライブルーの原材料BACK NUMBER
サンフレッチェ荒木隼人の「note」。
書くことでプレーが向上する理由。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/08/19 15:00
サンフレッチェユースから関西大学に進み、その後サンフレッチェに加入した荒木。昨年11月には日本代表にも初招集された。
自分に足りないのが表現力、発信力。
プレーと同様、実直で着飾らないゴツゴツした文体は、見る者の心に何か訴え掛けてくるものがある。
彼はなぜnoteを始めたのか。
「去年の年末くらいから新しいシーズンになったら、何か新しいことにチャレンジしたいという思いがありました。そのなかでコロナの影響によって練習や試合ができなくなり、家にいる時間が長くなった。自分に足りないのが表現力、発信力だと思っていて、文章を書くことも苦手だったのでこの機会にチャレンジしてみよう、と」
4月24日に「note始めます」と宣言して5日後に投稿したのが「Jクラブの今後を考える」。
コロナ禍がクラブの財政に影響を及ぼすことを懸念して読者から意見を募り、次回には集まった意見を踏まえて自分の考えを提示。そのまた次回には「新しい収入源」について提案もしている。
一方通行にならないようにしたい。
彼はなぜ読者(ファン、サポーター)からも意見を募るのか。
「noteを始めるにあたって一方通行にならないようにしたいと考えました。『Jクラブの今後』というテーマって、何が答えなのかって分からないと思うんです。
たくさんの意見があっていいと思うし、ファン、サポーターの方から寄せられた意見が、今後クラブとして活かせることがあるかもしれない。その意味でもお互いにコミュニケーションが取れるような形が望ましいと考えたからです」
中断中にクラブが取り組んだグッズ販売の反応を把握するために、クラブの担当者ともコミュニケーションを取っている。
クラブも、ファン、サポーターも、そして選手も考えてみる。周りを動かしながら守備の構築を図ろうとする彼の仕事ぶりが、ここでも重なってくる。