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「田澤ルール」は日本にとって損。
侍ジャパンにも影響、再考すべき。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2020/07/17 11:50

「田澤ルール」は日本にとって損。侍ジャパンにも影響、再考すべき。<Number Web> photograph by KYODO

独立リーグ「ルートインBCリーグ」埼玉武蔵ヒートベアーズと契約した田澤。記者会見で「少しでもそういうルールがなくなってくれれば」と語っていた。

ドラフト指名の権利を得るにも、2年間かかる。

 有り体に言えば、NPBのドラフト候補が、それを袖にして米国など海外のリーグと契約すると「日本に戻ってプレーしたくても、たやすくは戻らせない。そのリスクを覚悟しろ」という“嫌がらせ”をする制度である。

 日本のドラフトを通っていない田澤がNPBの球団に所属するには、ドラフトで指名されることが条件となるのはいい。

 ただそのドラフト指名の権利を得るにも、このルールのために2年という期間を待たなければならない。そのため田澤は、2022年まではNPBの球団とは契約できない縛りを受けていることになるのだ。

「ルールが出来てしまえば、従うしかないです」

 実はレッドソックス時代の2014年に田澤のインタビューをしたときに、この制度について話したことがある。

 そのとき出てきたのはそんな制約を受けることへの不満や怒りではなく、謝罪の言葉だったのに驚かされた。

「ルールができてしまったことには、申し訳ないというか……」

 こう語る田澤はやるせない思いをこう続けた。

「ルールができないことがベストだったわけですけど、そこは僕が決められる事ではないので……。ただそういう風にルールが出来てしまえば、従うしかないです。いまは与えられている野球を頑張ることだけが、僕のやるべきことかなと思います」

 後に続く後輩たちへの思いと自分ではどうしようもない制度への諦め。その中でできることは、目の前の野球に集中して結果を残すことで、後から続く後輩たちに可能性を示すしかない。

 言葉からはそんな思いが伝わって来た。

【次ページ】 海外に行く才能を止めることはできない。

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