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「田澤ルール」は日本にとって損。
侍ジャパンにも影響、再考すべき。

posted2020/07/17 11:50

 
「田澤ルール」は日本にとって損。侍ジャパンにも影響、再考すべき。<Number Web> photograph by KYODO

独立リーグ「ルートインBCリーグ」埼玉武蔵ヒートベアーズと契約した田澤。記者会見で「少しでもそういうルールがなくなってくれれば」と語っていた。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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KYODO

 改めて日本球界にとっては負のルールであると思う。

 米大リーグ、ボストン・レッドソックスなどで活躍した田澤純一投手が、独立リーグ「ルートインBCリーグ」埼玉武蔵ヒートベアーズと契約した。

 田澤は2008年オフに社会人、日本石油ENEOSから日本のプロ野球を経ずに直接、米大リーグのボストン・レッドソックスと契約。

 マイナーから這い上がって入団4年目の'13年にはクローザーの上原浩二投手とともにブルペンを支える柱となり、レッドソックス5年ぶりのワールドシリーズ制覇の立役者の一人となった右腕である。

 '16年オフにはマイアミ・マーリンズに移籍し、その後は故障などでの低迷期もありデトロイト・タイガース、ロサンゼルス・エンゼルス、シカゴ・カブスを経て'19年8月にシンシナティ・レッズとマイナー契約を結んだ。

 しかし全米の新型コロナウイルスの感染拡大の中の今年の3月11日、レッズとの契約を解除されて新天地を日本に求めての契約となった訳だ。

議論百出の異例な制度の存在。

「コロナの中、アメリカでもマイナー(リーグの試合)がなく、やれる場所があまりなかった。オファーをもらい素直に嬉しかった」

 入団会見でこう語った田澤だったが、その一方で、この独立リーグ入りで改めてクローズアップされたことがあった。

 それは「田澤ルール」というこれまでも議論百出の異例な制度の存在である。

 ご存知のように「田澤ルール」は、'08年の田澤のメジャー挑戦の際に、NPBが今後の日本人選手の海外流出に歯止めをかけるために作ったものだ。

 このルールでは日本のドラフトを拒否して海外リーグに移籍した選手は、海外球団を退団後も大学卒、社会人経験者は2年間、高校卒は3年間、NPB所属球団とは契約できない制約を設けている。

【次ページ】 ドラフト指名の権利を得るにも、2年間かかる。

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