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ブラジル流“辛口”は期待の裏返し。
本田圭佑が特長を発揮するための策。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byZUMA Press/AFLO

posted2020/07/10 07:00

ブラジル流“辛口”は期待の裏返し。本田圭佑が特長を発揮するための策。<Number Web> photograph by ZUMA Press/AFLO

コロナ禍のブラジルでは、試合前に検温などを受ける本田圭佑。サッカー王国での挑戦、本番はこれからだ。

本田にとって初の「クラシコ」。

 2月初めにボタフォゴへ入団した本田は、3月15日のリオ州選手権後期第3節バングー戦で初出場。4-3-3のトップ下でプレーし、ピッチを縦横に動いて攻撃を組み立てると、PKを決めて初得点をあげた。

 その翌日、新型コロナウイルスの感染拡大のため、ブラジルではすべての公式戦が延期されてしまう。

 それでも、リオでは市長がコロナ禍よりも経済低迷を懸念するボルソナロ大統領に同調し、他州に先んじて6月中旬の州選手権再開(無観客)を容認した。

 フラメンゴなどがこの決定を歓迎する一方で、ボタフォゴは最後まで反対。チーム練習を始めるのが6月20日と最も遅く、そのことが大きなハンディとなった。

 再開後、最初の試合となった6月28日の第4節カーボフリエンセ(ブラジル4部)戦で、本田は主として中盤の深い位置でプレー。攻撃の起点となって6-2の大勝に貢献した。

 7月1日の第5節では、アウェーでポルトゲーザ(ブラジル4部)と対戦。この試合で、本田はさらに守備的な役割を担った(結果はスコアレスドロー)。

 そして迎えた5日の試合は、本田にとってブラジル1部の強豪との初対戦にして、リオの4大クラブ(フラメンゴ、フルミネンセ、ヴァスコダガマ、ボタフォゴ)同士の初のクラシコだった。

 その中で前半はやや精彩を欠いたが後半、持ち直して見せ場を作ったのはさすがだった。

ボタフォゴの現状を整理してみる。

 ボタフォゴ入団後、本田は全4試合に先発して1得点。アシストはなかったもののアシストまであと一歩というパスを出したことが2度あった。

 チームは1勝3分(7得点、3失点)。ただし7点のうち6点が格下カーボフリエンセ戦のもので、他の3試合では1点しか取れていない。 

 準備期間が短かったのは事実だがCFらアタッカーの決定力が低く、プレーメーカーのナザリオも時に光るプレーをする一方でミスも多い。ただし18歳の左ウイング、ルイス・エンリケのようなスター候補生もいる。 

 一方、守備陣は若いCBコンビが成長しており、左SBもまずまず。21歳のボランチ、カイオ・アレシャンドレは攻守両方で能力が高い。

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ボタフォゴ

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