熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ブラジル流“辛口”は期待の裏返し。
本田圭佑が特長を発揮するための策。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byZUMA Press/AFLO
posted2020/07/10 07:00
コロナ禍のブラジルでは、試合前に検温などを受ける本田圭佑。サッカー王国での挑戦、本番はこれからだ。
粗削りなチームに何を付け加える?
若い選手が多く粗削りだが、今後が楽しみなチームではある。そこに、6月13日に34歳になった背番号4が何を付け加えることができるか。
ボタフォゴの次の試合はブラジルリーグで、8月9日に開幕する。8月26日にはコパ・ド・ブラジルが再開され、パラナとの3回戦第2レグ(第1レグは、ボタフォゴがホームで1-0で先勝)を戦う。
それまで、ボタフォゴと本田には十分な調整期間がある。
リオのボタフォゴへ舞い降りてから5カ月。本田は、試合に出場するという最低限の目標は達成している。その言動がクラブ幹部と地元メディアから「模範的なプロ」と賞賛を集め、すでにチームリーダーとなっている。だからこそ、今後、自分の特長を存分に発揮しなければなるまい。
3トップか、現ポジションなら……。
そのためには当面、2つの方法が考えられる。
よりゴールに近い位置でプレーして直接得点にからむべく、3トップの右サイドかトップ下のポジションを勝ち取ること。あるいは、現在のポジションでプレーを続けるのであれば、試合中に少なくとも数度、前線まで駆け上がれるようなフィジカル・コンディションを手に入れること。
リオ州選手権に出場した12クラブのうち、ブラジルリーグ1部に所属するのは4つだけ。3部が1つ、4部が3つで、全国リーグに参加していないクラブが4つあった。
ブラジルリーグとコパ・ド・ブラジルのレベルは、リオ州選手権とは比べものにならない。本田は、これからフットボール王国のトップレベルを体感することになる。
リオ州選手権は、アペリティフ(食前酒)だった。ここから、「チャレンジャー」本田の本当の挑戦が始まる。