Jをめぐる冒険BACK NUMBER
FC東京と東慶悟、改めて意志共有。
「今年は絶対トップを獲ろうぜ」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2020/07/08 07:00
3月、そしてJ再開タイミングの2回にわたって取材に応じてくれた東慶悟。その姿勢にFC東京を世に発信しようとの主将の思いがひしひしと伝わる。
優勝争いとキャプテンとしての重圧。
――プレーで示さなければ、誰も聞く耳を持ってくれない。
「言葉って、誰に言われるかによって響くかどうかが変わると思うんですよ。どの世界も同じだと思いますが、『いや、お前、やってないだろ』って思われたら終わり。だから、チームのことも気にしながら、自分のことも疎かにしない。その難しさ、大変さを感じた1年でしたね」
――ましてや優勝争いの真っ只中にいたわけで、プレッシャーも相当だったと思います。
「プレッシャーは……相当ありました(笑)。優勝争い自体が初めてなのに、それをキャプテンとして経験できたわけですから。でも、チームをまとめることの難しさは、それほどなかった。負けてばかりだと、キャプテンの責任を問われたと思うんですけど、昨年は勝つことが多かったので、やりやすかった。ピッチ外でも『試合後にユルネバ(※You'll Never Walk Alone)を歌おう』とか、アクションを起こしやすかったですから。
最後、結果が付いてくれば最高だったんですけどね。でも、本当にいいチームだったし、あれだけ白星を重ねたことも、最後に悔しさを味わったことも、大きな財産だと思います。鹿島アントラーズや川崎は毎シーズン、あの緊張感を経験して強くなったと思うので、東京もベースのレベルが上がったのは間違いないと思います」
長谷川体制3年目、一段階上へ。
――長谷川健太監督就任3年目となります。今季のFC東京の強みや魅力は?
「ハードワークや球際とか、ファストブレイクの部分で積み上げてきたものはあるので、さらに今季は攻撃力、得点力に注目してほしいですね。新加入のブラジル人選手たち(レアンドロ、アダイウトン)はすでに馴染んでいて、清水戦でも柏戦でも素晴らしい連係を見せてくれたし、大卒ルーキーの3人(安部柊斗、紺野和也、中村帆高)もクオリティがかなり高いので、チームとして一段階上に行けると感じています」
――レアンドロ選手、アダイウトン選手はサイドでもプレーできますし、安部選手はインサイドハーフやボランチでプレーできる。東選手にとって、ポジション争いが熾烈になりますが。
「刺激になりますよね。若い選手たちがアピールをガンガンすると、僕も負けられないという気持ちになりますし、もちろん、まだまだポジションを譲る気もないですし。やはり昨年は、ある程度スタメンが固まっていて、それが最後、息切れに繋がった部分があった。
今季は連戦が増えるし、ACLも戦わなければならないので、メンバーを入れ替えながら戦うことが必要になると思います。ブラジル人選手がひとり欠場したからといって、戦力がガクッと落ちるようでは、優勝は狙えない。誰が出ても遜色ないようにしないと。だから、競争は大歓迎です」