Jをめぐる冒険BACK NUMBER
FC東京と東慶悟、改めて意志共有。
「今年は絶対トップを獲ろうぜ」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2020/07/08 07:00
3月、そしてJ再開タイミングの2回にわたって取材に応じてくれた東慶悟。その姿勢にFC東京を世に発信しようとの主将の思いがひしひしと伝わる。
妻へ改めて感謝とリスペクト。
――東選手は、目を負傷して2月の清水エスパルスとの開幕戦も欠場したので、他の選手たちよりもさらに長く、サッカーから離れていたことになりますもんね。
「だから、かなりウズウズしました(苦笑)。あのときは、練習中にボールが左目に当たって、片目が見えない状態が2週間くらい続いて。普段の生活を送るだけでも不自由だったし、本当に視力が戻るのか不安で。ようやく治って、全体練習に合流できたと思ったら、今度は新型コロナウイルスでリーグが中断。だから今は、なおさらボールを蹴れることを幸せに感じています(笑)」
――中断期間中は、家族と一緒にいる時間も普段以上に多かったと思います。
「4歳の娘がいるんですけど、娘も幼稚園に行けなかったので、家で一緒に遊んだり、家の前で縄跳びをしたり。いつもなら外で遊んだあと、娘は疲れてすぐに寝てしまうんですけど、今回は公園にも行けない状態だったので、体力が有り余ってずっと元気。一緒に遊ぶのもひと苦労でした(笑)。普段は妻のほうが娘と一緒にいる時間は長いので、いつも大変なんだろうなって、改めて感謝とリスペクトをしましたね」
「トップを目指す」ことを再確認。
――練習が再開されてから、キャプテンとしてチームメイトにはどんなアプローチを?
「僕だけではなくみんなが今、ボールを蹴れる幸せを感じていると思うんですけど、そこからしっかりギアを入れて、『トップを目指す』ということを、もう一度確認しないといけない。昨年、最後まで優勝争いをしながら、あと一歩でリーグタイトルを逃して、『今年は絶対に獲ろうぜ』っていうところでリーグが中断したので、キャプテンの自分が改めてみんなにその意志を確認しないといけないな、と思っています」
――昨年は初めてキャプテンを務め、10番も背負いました。東選手自身、開幕前には「変わらないといけない」と熱く語っていました。1年を終えて、どうでした?
「自分にできることは何か、すごく考えた1年でしたね。ピッチ内はもちろん、ピッチ外でも『チームが良くなるには、何を言ったらいいだろう』とか。間違っていることがあれば、指摘しないといけない。相手が先輩だろうと、後輩だろうと関係ない。そんなスタンスで臨みました。まずは自分が選手としてお手本になるような振る舞いをしないと、何を言っても説得力がないんですよね」