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ガンバは遠藤時代から宇佐美時代へ。
「今の貴史はチームが勝つために」

posted2020/07/07 20:00

 
ガンバは遠藤時代から宇佐美時代へ。「今の貴史はチームが勝つために」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

大阪ダービーこそ完敗を喫したガンバ大阪。しかしリーダーの自覚が芽生えた宇佐美貴史なら、ここから巻き返しを果たしてくれるはず。

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下薗昌記

下薗昌記Masaki Shimozono

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 ホームで行われたリーグ戦の大阪ダービーでは、実に17年ぶりの黒星を喫したガンバ大阪。スコアこそ最少得点差の1対2だったが、昨季リーグ最少失点のセレッソ大阪に完敗を喫した格好だった。

 4カ月前の開幕戦では前年王者の横浜F・マリノスを撃破し、9年ぶりの開幕白星スタートを切ったが、コロナ禍による中断期間は明らかにマイナスに働いた感がある。

「昨シーズンからロティーナ監督のもとでソリッドなサッカーをしている」堅守のセレッソ大阪を崩しきるのが、一筋縄ではいかない作業なのは宮本恒靖監督も承知済み。だからこそ、守備のリスクに目をつむりながら、遠藤保仁をアンカーに起用し、あえて井手口陽介をベンチスタートさせる攻撃的な布陣で選手を送り込んだはずだったが、選手たちのコンディションのばらつきは否めなかった。

 両サポーターの熱気を欠くリモートマッチに加えて、4カ月ぶりの公式戦とあって両者が互いに探り合うような慎重な試合の入りを見せたのはやむを得ないところだが、技巧派の選手たちがトラップのズレや、ボールタッチの狂いを見せたことも、テンポアップの妨げとなっていた。

「コンディションには自信がある」

 そんなガンバ大阪の中で、違いを見せていたのが宇佐美貴史である。

 中盤でタメを作りながら抜群のロングキックの精度で散らし役に徹していた背番号33は、28分、右サイドから切り込み右足を振り抜く。強烈な一撃は木本恭生の体に当たってコースを変えポストを直撃する。

 後半はインサイドハーフにポジションを変えたこともあり、シュート1本に終わった宇佐美だが、走行距離は藤春廣輝と小野瀬康介に次ぐチーム3位。グループ別での部分練習が再開された5月末、オンライン取材で口にしていた自信が決して嘘ではなかったことを数字で裏付けたのだ。

「コンディションには自信がある。2カ月空いている間も1人でメニューを組んでみっちりやっていたし、ボールタッチの感覚とか、走力、心肺機能の状態はチームの中でも上位にいる自信はある」

 かつてはオン・ザ・ボールでこそ持ち味が発揮されるプレーヤーだったが、自らがガンバ大阪への復帰会見で「2度目も個人的にはダメだった」と言い切ったドイツでの経験は、確実に宇佐美の血となり肉となっていた。

【次ページ】 キャンプ最終日に見せた泥臭い姿勢。

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