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戸郷翔征がなぜ“裏ローテ”の頭に?
巨人・原監督「メジャー志向」構想。
posted2020/06/27 20:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Hideki Sugiyama
リーグ連覇を狙う巨人が快調なスタートを切った。
開幕の阪神戦にいきなり3連勝を決めると、続く広島戦は1勝1敗で迎えた3戦目で劣勢の8回に主砲・岡本和真内野手の同点ホーマーが飛び出しての引き分け。
そして3カード目のヤクルト戦の初戦も重信慎之介外野手の逆転2ランと3カード連続でカード頭を白星で飾っている。
中でも注目は2カード目の広島戦での戸郷翔征投手の快投だ。
宮崎・聖心ウルスラ学園高を卒業して2年目の20歳の右腕は、サイド気味のスリークウォーターから150km台のストレートを連発。そこに横に大きく曲がるスライダー、フォークを織り交ぜて赤ヘル打線を7回途中まで4安打2失点に抑える好投を見せた。
巨人では桑田真澄投手以来の高卒2年目の開幕ローテーション入りという快挙を果たすとともに、そのチャンスを見事なピッチングで結果に結びつけたのである。
“裏ローテ”の頭を戸郷に任せた。
「7回に入ったのもプロ初で、そこを投げ切りたかったですけど、先発で1勝というのが、1つの目標にしていたところ。長く投げて1勝できたのが嬉しかった」
ちょっぴり寂しい観客のいないお立ち台。それでも昨年9月に救援でプロ初勝利は挙げていたが、先発での1勝はこの若き右腕にとっては格別なものだったはずだ。
ただ、この戸郷の快投劇に1つの「なぜ?」があったのに気づいた人がいたかもしれない。
というのは開幕2カード目の3連戦の初戦はいわゆる“裏ローテ”の頭と言われる大事な先発だ。
これまでの常識では投手陣で2番目に信頼のある投手が任される役割で、昨年で言えば開幕は菅野智之投手でこの“裏ローテ”の頭は山口俊投手だった。