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19歳のロナウジーニョを観た幸せ。
強烈に光った“ガウショ”は瞬く間に。 

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徳原隆元

徳原隆元Takamoto Tokuhara

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photograph byTakamoto Tokuhara

posted2020/06/25 11:00

19歳のロナウジーニョを観た幸せ。強烈に光った“ガウショ”は瞬く間に。<Number Web> photograph by Takamoto Tokuhara

まだあどけなさが残る19歳のロナウジーニョ。頭角を現わす前は“ガウショ”というニックネームがついていた。

挑発するコロンビアに9得点。

 それでも万全とは言えない状況でブラジルは大会に突入する。だが、チーム好転のチャンスが訪れる。転機となったのは予選リーグ最終のコロンビア戦。ここまで絶好調のコロンビアのジャビエル・アルバレス監督は、ブラジル戦を前にして「レギュラーを出さなくてもブラジルに勝てる」と大胆にも発言し、カナリア色の大国を挑発した。

 ロナウジーニョら若きブラジルの精鋭たちは、この挑発に良い意味で乗った。選手たちの胸にサッカー王国としての威厳が戻り、激しい闘志をピッチで爆発させた結果、9-0という驚くべきスコアでコロンビアを粉砕する。それまで首位を走っていたコロンビアを3位に引きずり下ろし、ブラジルはグループ1位で次のラウンドへとコマを進めたのだった。

 ブラジルはこの大勝によって得た勇気を胸に、運命の一戦を迎えることになる。決勝リーグに進出したのはブラジル、アルゼンチン、チリ、ウルグアイの4カ国。対戦はいきなりブラジルvs.アルゼンチンとなる。

因縁のアルゼンチン戦は激闘に。

 ブラジルの核を成す選手はフル代表でもプレーするアレックス(10番)とロナウジーニョ(7番)。

 対するアルゼンチンはファン・ロマン・リケルメ、パブロ・アイマール、ハビエル・サビオラ、エステバン・カンビアッソと才能豊かなメンバーが揃っていた。監督はユース世代で好成績を築き上げてきたホセ・ペケルマン。

 シドニーへの道を探るペケルマンはリケルメとアイマールという2人の優秀な攻撃的MFを有しながらも、予選リーグではチームバランスを重視した戦いを選択していた。彼の戦術にはポジションが重複するリケルメとアイマールの同時起用はなく、前者がレギュラーで後者はベンチスタートとなることが多かった。

 だが、ブラジルとアルゼンチンには両国の選手や監督だけが感じ取れる、対決を通じて辿り着く勝利への真理があるように思う。お互いが相手の実力を認め合い、負けることが絶対に許されない宿敵として、強烈なライバル心を持つ大国の対決では、戦術やチームバランスといったはかりごとは二の次となり、なにより力でねじ伏せようと激しく戦うことになる。

 ライバルとの一戦に燃えるペケルマンは、アウェーの絶対不利の情勢にもかかわらず、リケルメとアイマールを先発させ勝負に出る。その結果、試合は序盤から激しく動くこととなった。

【次ページ】 輝きを放ったロナウジーニョ。

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