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19歳のロナウジーニョを観た幸せ。
強烈に光った“ガウショ”は瞬く間に。
text by
徳原隆元Takamoto Tokuhara
photograph byTakamoto Tokuhara
posted2020/06/25 11:00
まだあどけなさが残る19歳のロナウジーニョ。頭角を現わす前は“ガウショ”というニックネームがついていた。
輝きを放ったロナウジーニョ。
5分にロメオのゴールでアルゼンチンが先制。しかし18分、ブラジルのキャプテン・アレックスがDFをかわし、インサイドキックで放ったループ気味の芸術的なシュートがアルゼンチンゴールを揺らす。
ここから照明の光量が弱いエスタジオ・ド・カフェ(コーヒースタジアム)のピッチで、ロナウジーニョが強烈な光彩を放つことになる。アレックスの得点からわずか1分後にそのロナウジーニョがゴールを決める。アルゼンチンも負けていない。逆転を許した2分後にカンビアッソが決めて食らいつく。しかし、37分にロナウジーニョが得点し再度ブラジルがアルゼンチンを突き放す。アルゼンチンは65分に切り札・サビオラを投入。だが、77分にロナウジーニョがハットトリックとなるゴールを決めてライバルとの戦いに決着をつけた。
このライバルとの激しい打ち合いを制したブラジルは、さらに勢いを増し2勝1分で優勝。オリンピックへの出場権を獲得する。対してアルゼンチンは続くウルグアイに勝利したものの、最終戦のチリに敗れ、シドニーへの切符を手にすることはできなかった。
ロナウジーニョは大会を通した7試合のうち5試合でゴールを記録し、合計9得点を挙げて得点王を獲得。その活躍により彼はフル代表と合わせて、セレソンで欠かすことのできない重要なピースとなっていく。
まだ、あどけなさが残っていた新星FWは、“ロナウジーニョ”として唯一無二の存在となっていくのだった。