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仏女子サッカー無情の打ち切り。
王者リヨンとの決戦を信じたPSG。 

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フランク・シモン

フランク・シモンFrank Simon

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posted2020/06/29 17:00

仏女子サッカー無情の打ち切り。王者リヨンとの決戦を信じたPSG。<Number Web> photograph by instagram@mariekatoto

フランスはサッカーリーグの打ち切りを決めた。来るべきシーズンの再開を信じて選手たちは準備をしていたのだが……。

パリに残るか、帰国するか。

 PSGの場合、すべては国際試合による中断明けの3月13日(金)に始まった。エシュアフニが説明する。

「クラブには18人の各国代表選手がいる。その中でチームへの復帰が最も遅れたのはシービリーブスカップ(アメリカ)にスペイン代表として参加したイレーネ・パレデスだった。彼女がパリ(正確にはパリ郊外のサンジェルマン・アン・レ=PSGの本拠地)に戻ったのが13日の朝7時だった」

 その前日、サッカー協会の決定によりフランスはあらゆる大会、すべての活動を停止した。この決定は、ただちにリーグ連盟に追認された。ブージバル(チームの練習場)が閉鎖され、エシュアフニはテクニカルスタッフやメディカルスタッフと話し合って、状況に対処するための新たな組織をすぐに作りあげた。

「その第一の目的は、練習が再開されるまで選手たちのコンディションをいい状態に保つことだ。だから23人の選手に、個別のプログラムを提案した」

 このプランを実行する前に、クラブがまずおこなったのが12カ国の異なる国籍を持つ選手たちへのアンケート調査だった。質問の内容は外出禁止期間中にフランスに留まるか、それとも帰国するか、である。クラブが勧めたのは彼女たちがその間もパリに残ることだった。禁止令が出されたときに帰国を試みて大変な思いをするよりも、パリにじっくり腰を落ち着けたほうがいいというのがその理由だった。

選手たちの居住環境はそれぞれで。

 帰国を選んだのはアメリカ代表のアラナ・クックとカナダ代表のジョルディン・ウイテマの2人だけだった。そして外出禁止が正式に実施された3月16日に、クラブは新たな活動組織を正式に発足させた。

「まずは選手たちがどういう状況にあるかを尋ねた。どこに住んでいて、どんな居住環境であるのか。トレーニングのためにどんな器具や用具を使えるのか、と」とエシュアフニが説明する。

「回答のための時間を48時間与えた後に、状況に応じたグループ分けをおこなった。飽きることなくモチベーションを維持できるように、2日おきに練習プログラムを全員に送った。ひとり暮らしの人もいれば、家族と一緒の人もいた。さらにはビデオミーティングも毎週定期的におこなって、不安なことやわからないことのないようにした」

【次ページ】 理想的ではないが気持ちを保って。

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