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ユース選手の将来を決める13本の動画。
ガンバが考えた今どきのスカウティング。
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph by(c)GAMBA OSAKA
posted2020/06/03 19:00
6月1日に練習を再開したガンバユース。本格的な練習メニューまで、段階的に上げていく。
「選手たちに与えすぎるのもどうかと思いました」
長い自粛期間中、選手だけではなく、指導者たちも知恵を絞り、制限されたなかでできることをこなしてきた。
ガンバユースでは全員参加のZOOMミーティングを実施。フィジカルコーチから全員にメニューを渡し、選手たちの動画を見ながらチェック。週2回は選手1人ひとりに電話もしていた。
可能な限りのサポートは惜しまなかったが、悩ましい思いもあった。坪倉氏は複雑な思いを口にする。
「私自身としては、選手たちに与えすぎるのもどうかと思いました。あれをやっておけ、これに気をつけろと一度のタイミングに言いすぎるのもどうかと。
学生たちはサッカーもなければ、学校もなかった。長い目で見れば、自分で1日をどうつくり上げていくかを考えるのも大事です。こちらもタイミング、バランスを考えて発信しています。言われたことだけをこなして終わるのは寂しいですから」
6月1日からついに活動再開に!
6月1日からようやくガンバユースも活動を再開し、練習場でボールを蹴る日常が徐々に戻りつつある。選手たちのプレー映像をチェックした大学関係者が足を運ぶこともあるだろう。
夏以降に再開予定の公式戦がスタートすれば、より多くの関係者も目を向けるはずだ。
懸念されるのは2カ月間のブランク。
夏に本来のパフォーマンスを発揮できる保証はない。そのとき、監督、コーチたちが苦心して制作した映像がまた生きてくる。
スカウトする側もブランクを考慮して見るとは思うが、その前提となる判断材料があるとないでは大違い。