プロ野球亭日乗BACK NUMBER
阪神の遠征日程を考えると可能だ。
「秋の甲子園」、高野連は検討を。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/05/21 11:50
何とか高校球児たちに甲子園の土を踏むチャンスを与えられないものか……。
甲子園出場は国体方式で3年生主体の旧チーム。
方法としては、例えば(あくまで例えばだが)、各都道府県で緊急事態宣言が解除されてから4週間を練習期間とする。そこから週末を利用して7月頭から9月までの約10週から12週をかけて無観客で週末に各地区の代替大会を実施する。ここで新チームとの入れ替えを行うが、勝ち上がったチームは10月上旬に甲子園球場で1試合だけ試合をする。出場は国体方式で3年生主体の旧チームとする。
通常は49代表なので学校数から南北北海道代表を1つに絞れば48チームで24試合となり、1日4試合を行えば6日間で消化できる。1日予備日を設けても1週間で全代表が甲子園の土を踏むことになるわけだ。
またどうしても日本一を決めるのであれば、県大会後に移動を極力減らすために地域ごとに分散大会を行って東日本と西日本でベスト8まで絞る。その8チームが準々決勝から決勝までを甲子園球場で行ってもいい。
十分に危険に備えながら、少しずつ前進する。
変則なのは百も承知だ。
ただ球場が1週間ほど空く期間がある前提で、球児たちの甲子園の土を踏みたいという夢を叶えるための1つの方法だ。工夫すれば、他にも方法はまだあるはずで、必要なのは夢の可能性を全国3800校弱、約15万人の球児に平等に分配するという考えだろう。
そう思っているのは筆者だけではないはずである。
もちろん全てはこのコロナ禍が今後、どのような状況になるかにかかっている。
「いつ、どこで、何ができるのか。それが全くわからない状況」とこの日の会見で大会関係者が語ったように、全てが不透明なのも確かだ。確実にやってくるといわれている第2波、第3波に備えなければならない。
しかし十分に危険に備えながら、少しずつ前進する準備もしたい。各地区の高野連が代替試合に動くのならば、可能性は0ではないはずだ。その地方の動きを甲子園に結びつける工夫を考えよてもいいとも思う。