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阪神の遠征日程を考えると可能だ。
「秋の甲子園」、高野連は検討を。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2020/05/21 11:50

阪神の遠征日程を考えると可能だ。「秋の甲子園」、高野連は検討を。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

何とか高校球児たちに甲子園の土を踏むチャンスを与えられないものか……。

コロナ禍でプロ野球の日程編成が変わる。

 それではいま、球児にはどういう可能性が残され、残された時間でどういう方向を模索すべきなのか──次に大人たちが考えなければならないのは、そこではないだろうか。

 当然、浮上しているのがすでに愛知県などいくつかの県が動き出している代替大会の開催ということになる。

 この代替大会について、八田会長は「各地区高野連の自主的な判断にお任せするというのが基本的な姿勢」として、時期をずらしても日本高野連が主導した全国規模の大会とする考えはないことを明らかにしている。

 もちろんここから全国的な大会を組み上げるのは新チームとの入れ替え、資金面を含めて至難であることは重々、承知の上だ。ただ、それでも何か道はないのかということで1つ、新しい状況となるのは、プロ野球の日程編成である。

1週間から10日前後、甲子園球場が空く。

 すでにプロ野球は先日行われた12球団代表者会議で、最短で6月19日を目標に開幕を目指すことで一致した。現時点では11月までに120試合程度の公式戦を行う予定で、改めて日程編成に取り掛かっている。その中で出ているのが、移動リスク軽減のために遠征回数を減らすという方針だ。

 甲子園球場を本拠地とする阪神で考えれば、これまでは東京で3連戦を行なって、1度甲子園球場に戻って、それから今度は名古屋に遠征して試合をするというケースがあった。

 しかし今年は1回遠征に出たら、同地区、同方向での試合を最低でも2カードから3カードを組む方向でスケジュール編成を行なっていく。特に開幕から1カ月は重点的にこのシフトを行う予定だが、その後もチームの移動回数を減らす方向で日程編成を行う方針だという。

 そうなれば何が起こるのか。10月にも最低2カード、阪神が本拠地を離れる可能性が出てきて1週間から10日前後、甲子園球場が空くことになる。

 その不在期間を高校野球で使えるように模索できないか、ということだ。

【次ページ】 甲子園出場は国体方式で3年生主体の旧チーム。

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八田英二

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