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元ボクサーとバレー指導者が語る、
「縄跳びは理想的な上下運動です」
text by
増田晶文Masafumi Masuda
photograph byGetty Images
posted2020/05/17 09:00
公園や駐車場などで縄跳びをする人を見かけることも増えた。膝などへの負担は見た目以上にあるので、土や芝の場所を探すのもいいかもしれない。
PCやスマホで歪んだ姿勢も矯正。
縄跳びには心肺機能と筋力向上以外にも、いくつかの卓効がある。
「縄跳びを連続させるには、心もち顎を引いて、首筋から背筋を伸ばし、骨盤を安定させるという“正しい姿勢”をキープしなければなりません。これはアスリートのみならず現代人にとって基本的かつナチュラルな“正しい姿勢”です」
背骨の自然な湾曲が損なわれたフラットバックに頸部の障害を誘発するストレートネックやスワンネックといった、過度なPCやスマホ使用による悪い姿勢が自ずと改善されるわけだ。
強度を調節できるのもいいところ。
百聞は一跳に如かず。さっそく私も縄跳びにチャレンジしてみた――。
し、しんどい!
立て続けに100回なんて老兵には厳しすぎる。まして10分間連続は至難のワザ、3分でヘロヘロ。改めて、縄跳びを遂行するのはかなりのテクニックと体力、筋力が必要と痛感した。
だが、小内院長は「縄跳びのフレキシビリティに注目してほしい」と強調する。
「縄跳びは体力、運動能力、年齢にあわせて自由に強度を調節できます。負荷をアップさせるには太腿を高く上げ、ロープの回転も速くさせます。二重跳びや三重跳び、あや跳びなんかにもチャレンジしてみてください」
……。残念無念ながら、なかなかこのレベルに到達できそうにない。それでも、小内院長は爽やかな笑顔を浮かべるのであった。
「体力がなければ、ゆっくり跳べばいいし、歩きながら跳ぶ方法もあります。マイペースでじっくり強度をあげていけばいいんです」
ハイインテンシティから、のんびりトレーニングまで。縄跳びは応用範囲が広い。