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元ボクサーとバレー指導者が語る、
「縄跳びは理想的な上下運動です」
text by
増田晶文Masafumi Masuda
photograph byGetty Images
posted2020/05/17 09:00
公園や駐車場などで縄跳びをする人を見かけることも増えた。膝などへの負担は見た目以上にあるので、土や芝の場所を探すのもいいかもしれない。
ボクサーのロープは革製で重い。
手首、フットワーク、リズム感、そして肩、腕と脚の協調性に持久力と瞬発力などなど。縄跳びにはボクシングに求められる数々のファクターが詰め込まれている。
「ボクサーが使うロープは革製でかなり重いんで筋トレ効果も大ですね。それに、革ロープは鞭と同じだから、脛に当たるとメッチャ痛い! うまく跳ぶのは苦痛から逃れる必須要件でもあります」
リングに上がったとき、脛がミミズ腫れしているボクサーは勝ち目が薄かったりして。
「ボクサーはともかく、普通に考えたら縄跳びなんて小学生の遊びじゃん」
なんて声もきこえてくる。ならば、すかさず反撃に移らねばなるまい。読者諸氏よ、この証言に耳を傾けたまえ。
「縄跳びは理想的な上下運動」
「大学のバレーボール部のトレーナーだった頃は、縄跳びをコンディショニングに積極的に取り入れていました」
こう語ってくれたのは、横浜市青葉区にある「あざみ野くじら接骨院」の小内悠気院長だ。かつて彼が指導した青山学院大学女子バレーボール部は、インカレを筆頭に五冠制覇の偉業を達成している。院長は、他にもプロ野球選手やプロバスケットボール選手ら多くのトップアスリートたちをケアしてきた。
「縄跳びは理想的な上下運動であり跳躍運動。内臓を支える筋膜や、手足の運動機能を司る内在筋が刺激され、消化や呼吸、毛細血管の拡張にも効果があります」
世にエクササイズは数あれど、徹頭徹尾ジャンプの連続といえば、まずは縄跳び。次に来るのはトランポリンくらいであろう(余談だが、コロナ禍の運動不足解消とて小型のトランポリン台も品薄状態とか)。