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JFAがeスポーツに乗り出す理由。
リアルサッカーへの誘導「ではない」。

posted2020/04/04 20:00

 
JFAがeスポーツに乗り出す理由。リアルサッカーへの誘導「ではない」。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

JFAマーケティング部の森田恭平氏。JFAでは、ゲームメーカーとのライセンス交渉などの仕事をしてきた。

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河崎三行

河崎三行Sangyo Kawasaki

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Kiichi Matsumoto

 日本サッカー協会(JFA)が今年から、「eサッカー日本代表」という日本代表カテゴリーを新設した。

 これはサッカーゲーム(JFAでの呼称は「eスポーツ・サッカー」)の日本代表のこと。リアルなサッカーの男子A代表「サムライブルー」や女子A代表「なでしこジャパン」などと同格の扱いで、「eサッカー日本代表」の選手は国際大会出場時、あの青い代表ユニフォームをまとってプレーすることになる。

 2月17日に行われた概要説明会によれば、JFAがeスポーツ・サッカーに取り組むのは、自分でボールを蹴らない人たちにもサッカーファミリーの一員になってもらうためだという。

 リアルなサッカーに比べて性別や運動能力を問われないので、誰もが楽しめる門戸の広さを持っていること。これは大きな魅力だ。

 もちろん、eスポーツ・サッカーを入り口にリアルなサッカーのファンや顧客やプレーヤーとして引き込み、ビジネス的な相乗効果につなげられればベストだが、JFAとしてはeスポーツ・サッカーだけで完結する楽しみ方を大歓迎、という進歩的な姿勢が目を惹く。

サッカーの知見でサポート。

 とはいえ楽しんでもらうだけでなく、協会の正式なカテゴリーとして代表チームを結成する以上、強化やサポートも行う。

 具体的には、リアルなサッカーを通して蓄積してきたフィットネス(運動能力は問わないというものの、ゲームでは腕や指の動きの速さやコーディネーションが重要となってくる)やコンディショニング、栄養学などの知見を選手・チームにフィードバックしたり、Jリーグクラブや海外クラブのeスポーツ部門との親善試合といった取り組みを予定している。

 そのeサッカー日本代表の2020最大のターゲットが、デンマーク・コペンハーゲンで5月下旬に開催される予定の『FIFA eNations Cup 2020』(以下、eNations Cup)だ。

 欧州、南米、アジアなど各地域から勝ち上がった代表チームによるFIFA主催の世界大会で、使用ゲームタイトルは米EA社の「FIFA20」。プレイステーション、Xboxの各プラットフォーム部門で選ばれた1名ずつの代表選手で2人のチームを組み、それぞれのプラットフォームで1試合ずつ団体戦を行い、雌雄を決していく。賞金総額は10万ドル。優勝チームに4万ドル、準優勝チームに2万ドルが与えられる。

【次ページ】 フランス協会の先行事例。

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