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JFAがeスポーツに乗り出す理由。
リアルサッカーへの誘導「ではない」。 

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河崎三行

河崎三行Sangyo Kawasaki

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2020/04/04 20:00

JFAがeスポーツに乗り出す理由。リアルサッカーへの誘導「ではない」。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

JFAマーケティング部の森田恭平氏。JFAでは、ゲームメーカーとのライセンス交渉などの仕事をしてきた。

フランス協会の先行事例。

 JFAにおけるeサッカー日本代表の担当者、マーケティング部の森田恭平氏は昨年ロンドンで開催された第1回大会を視察している。

「現地ではFIFAや各国協会のeスポーツ担当者と意見交換も行ったのですが、どの国も協会としてのサポート体制をこれから作ろうとしているところで、日本と似たり寄ったりという印象した」

 そんな中でも、フランスは少々先行していると感じた。

「大会への協会スタッフの派遣人数はどの国も多くて2人という中、フランスだけは5、6名のスタッフを送り込んでいて、全員がリアルなサッカーのフランス代表トレーニングウエアの上下を着込んでましたからね。各試合の前には揃って国歌も歌っていて、きちんとスポーツとして取り組もうとしているんだなという姿勢を感じました。おそらく、2024年のパリ五輪でeスポーツの正式種目化が取り沙汰されているからではないでしょうか」

 そのフランスは、同大会決勝でアルゼンチンを破り、見事初代王者に。

「各国の競技レベルは、リアルなサッカーの実力とほぼ比例していると言われています。ドイツ・ブンデスリーガのFCニュルンベルクのeスポーツ部門には、日本人のマイキー選手が所属しているんですが、彼は世界のベスト16に入れるぐらいの力量です」

日本は第1回は出場できず。

 第1回大会の出場国は、FIFAからの指名招待制で決められた。もちろん、ゲーム大国にしてプレイステーションの生まれ故郷である日本にも出場要請はあったのだが、連絡に不備があり、JFAの担当部署に情報が入ってきたのが大会開催の4日前と時間の余裕がなかったため、出場を辞退せざるを得なかったという。

 その結果、アジア代表として、中国とサウジアラビアが参加した。

【次ページ】 フランスではムバッペとの交流も。

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