プロ野球亭日乗BACK NUMBER
シーズン全日程消化はほぼ不可能。
プロ野球も3週間の“テレワーク”を。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/04/02 11:50
新型コロナウイルスに感染していることが判明している阪神・藤浪投手。参加した“ホームパーティ”が患者クラスターとなった。
選手たちも3週間の“テレワーク”を。
そこでムリやりさらに1カ月程度の延期を決めてみても、選手たちは疲弊していくばかりではないだろうか。だとすればここで一度、全チームが3週間ほど活動を停止するという選択肢があってもいい。むしろそうすべきだろう。
現実的には3週間の活動停止を行なっても、そこから1週間後、すなわち5月頭に開幕できる可能性はほぼ皆無である。活動停止明けから再度2、3週間の調整期間をとっても開幕に向けて時間的な余裕は十二分に計算できるはずである。
ならば開幕のメドも立たないことを逆手にとって、「感染しない、感染させない」ために、球団は活動を停止して、選手たちも3週間の“テレワーク”を実施するという選択だ。
全体練習を行えばロッカーは「密室」。
すでに藤浪らの感染者を出した阪神は1週間の活動停止に入っており、パ・リーグではソフトバンク、楽天、ロッテに加えて3日からは西武もチームのシャットダウンを決めた。
一方、巨人やDeNAなどは全体練習を止めて、自主練習に切り替えているが、球団施設を使っての練習は「感染しない、感染させない」という観点からするとリスクをともなうものになる。
ましてや広島のように全体練習を行えば選手が使うロッカーは密室であり、球団施設では密接、密集となって他の選手との接点が生まれてしまう「3密」の危険性も消し去ることはできない。
だったら球団は選手が個々で行えるトレーニングメニューを渡して、期間中は球団施設を全面的に閉鎖する。選手は自宅などでそのメニューに沿った運動を行い、コンディショニングを維持することに専念する。
もちろんプロ意識を持ってどうこの3週間を過ごすかは選手たちの問題である。逆にいえば、いまこそプロフェッショナルとしての姿を示す、まさにそのときでもあるはずなのだ。