プロ野球亭日乗BACK NUMBER
シーズン全日程消化はほぼ不可能。
プロ野球も3週間の“テレワーク”を。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/04/02 11:50
新型コロナウイルスに感染していることが判明している阪神・藤浪投手。参加した“ホームパーティ”が患者クラスターとなった。
球界全体が問われている問題。
ただ実はこれは新型コロナウイルスの感染拡大が広がっていく中で、阪神だけではなく球界全体が問われている問題でもあるのだ。
当初は3月20日に予定されていたプロ野球の開幕は、これまで2度にわたって延期されている。
Jリーグとともに設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の専門家チームの提言を受けて、4月24日へと2度目の延期を決めたのが3月23日。しかし東京での感染拡大が予想以上のペースで広がる中で、4・24開幕は現実的には不可能な情勢となっている。
4月3日には改めて12球団代表者会議で検討されるが、すでにパ・リーグ6球団の社長が行ったオンライン会議では4・24開幕断念で意見は一致しており、さらなる開幕延期は必至となっているのだ。
プロ野球がいつ開幕できるかは予想がつかない。
そうしてまったく出口が見えない中で、それではプロ野球はいったいどういう行動をとったらいいのだろうか。
東京では3月28、29日の週末に「外出自粛要請」が出されて、銀座や渋谷、新宿といった繁華街の人出は大幅に減少した。
感染しないだけはなく、感染させないための大きな動きがようやく始まった訳だが、その効果が出てくるとしても、それまでには最低でも2週間はかかると言われている。
しかもまだまだ完全な在宅勤務の実施は難しく、月曜日になればまた街には人の流れが戻ってきてしまっている。となれば週末の「外出自粛」効果も大きくは期待できないケースも考えられるだろう。
そうなればプロ野球もいつ開幕できるかは全く予想がつかない。
それが現実なのである。