プロ野球亭日乗BACK NUMBER
シーズン全日程消化はほぼ不可能。
プロ野球も3週間の“テレワーク”を。
posted2020/04/02 11:50
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中で、球界にも次々と厳しいニュースが飛び込んできている。
阪神の藤浪晋太郎投手と伊藤隼太外野手、長坂拳弥捕手の感染発表からわずか5日後の4月1日には近鉄、日本ハム、楽天で監督を務めた元近鉄捕手の梨田昌孝さんの感染が発覚。梨田さんは重度の肺炎と診断されて集中治療室に収容されるなど、楽観を許されない状況に陥っているという。
藤浪らの感染報道がされた時点では、本人が公共性を理解した上であえて自ら公表を望んだことなどから一部では称賛する声も出ていた。
しかし実態はコロナ禍の真っ只中に知人が開いたホームパーティーでの感染で、3選手以外にも出席していた複数の女性も含めた患者クラスターとなってしまっている。
そういう酒席に参加しているのは彼らだけではないかもしれないし、不運といえば不運なのかもしれない。それでもこの時期にいわゆる“合コン”に参加する意識の低さが、感染へとつながったというのはまぎれもない事実だ。
選手の自主性に任せた球団の責任。
そしてもっと問われなければならないのは、感染拡大が広がる中で他球団がこぞって遠征先での外出禁止などを徹底する中で、チームの決め事として外出禁止をせずに選手の自主性に任せるという判断を下した球団の責任だ。
今回の“合コン”は遠征先の出来事ではなかった。それでもそうした厳しい措置を徹底していれば、多少なりとも選手の行動にブレーキがかかっていたかもしれない。
球団が感染予防策を徹底してこなかったことが、選手が事態を甘く見た原因の1つだったと指摘されても仕方ないだろう。