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感染の拡大と短縮シーズン。
もし6月に野球が見られたら。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2020/03/30 19:00

感染の拡大と短縮シーズン。もし6月に野球が見られたら。<Number Web> photograph by Getty Images

ブルワーズの春季トレーニングゲーム中止を受けて、チケットの払い戻しに訪れたファンたち。“追い込み型”のチームにとって開幕延期は厳しい?

序盤に強いツインズやフィリーズ、マリナーズ。

 逆にいうと、序盤に強いツインズやフィリーズ、あるいはマリナーズといったチームが、先行逃げ切りのパターンに持ち込むケースがありうるのだろうか。

 2018年、フィリーズとマリナーズは、100試合を経過した時点でポストシーズンを射程に収めながら、最後はロッキーズとアスレティックスにひっくり返されてしまった。ただし、ここ1、2年のマリナーズは、当時に比べて戦力がずいぶん劣っている。

 もっと派手なサンプルは2015年だ。エンジェルス、ツインズ、ナショナルズ、ジャイアンツの4チームがポストシーズン進出可能な位置にいながら、結局はレンジャーズ、ブルージェイズ、メッツ、パイレーツの4チームと入れ替わっている。

 メッツはこの年、ワールドシリーズにまで進出し、久々の下剋上チームと呼ばれた。

スケジュールの有利不利もある。

 追い込み型有利か、先行型有利か。この比較は悩ましいところだが、スケジュールの有利不利も見比べておきたい要素のひとつだ。

 とくにポイントは、キャンセルされる4月と5月の試合に、どんな相手とぶつかる予定が組まれていたかだ。

 たとえば、ツインズやヤンキースは、この2カ月に「お客さん」との対戦カードが多く予定されていた。ヤンキースでいうと、オリオールズ、ブルージェイズ、タイガース、パイレーツといった弱体チームとの対戦が目立っていたのに、これらがすべて飛んでしまうことになる。計算が立てづらいだろう。

 他方、ドジャースは、4〜5月に予定されていた東海岸遠征(4月にナショナルズ、パイレーツと3試合。5月にはフィリーズ、メッツと3試合)が流れてくれそうなことが大きい。移動の負担や気候の変化などは無視しがたい要因だ。

 東海岸での試合に断然強いナショナルズも、4月下旬と5月中旬にたっぷり予定されていた西海岸遠征がキャンセルされるのは大歓迎だろう。

 そんな感じで見てくると、短縮シーズンには不確定要素がずいぶん多い。ごく普通に考えれば、先行して好位置につけ、9月の声を聞いて末脚を伸ばしてくるチームが有利と思えるのだが、果たしてそんなにすんなりと勝負が決まるものだろうか。いまはとにかく、どんな形であれ、野球のシーズンが訪れてくれることを祈るほかない。

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