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FAに出来高、球宴&ドラフトも。
MLB日程延期の影響が大きすぎる。
posted2020/03/29 08:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
ベースボールの本場、米国のグラウンドから球音が消えて、はや10日間が経過した。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3月12日(日本時間13日)にオープン戦の中止、26日に予定されていた公式戦開幕の延期、さらに、その後はキャンプが打ち切られた。当初は「最低2週間」とされた延期期間も先送りにされ、現時点では5月下旬から7月説までずれ込む可能性が取り沙汰されるなど、依然として見通しは立っていない。
MLB機構と選手会は、再開へ向けて様々なシミュレーションを繰り返していると言われているものの、複雑かつ困難な問題が山積していることは言うまでもない。
無収入のマイナー選手への救済策。
そんな状況で、まず手を打ったのが、マイナー選手の救済だった。キャンプが打ち切られ、帰宅を余儀なくされた選手は、収入がなくなった。
そこで機構側は、4月8日までに支払われるはずだった給与と同額となる、1週間につき400ドル(約4万4000円)を補填することを決めた。4月9日以降についても、今後、救済策を検討していくことになった。
ただ、今回の開幕延期がもたらす問題はそれだけではない。
現時点で、機構側はあくまでも162試合の実施を目指していると言われているものの、11月下旬、または12月まで延長することは、極めて難しいとも言われる。米国で最も人気の高いNFLのシーズン終盤と重なることもあり、膨大な放映権を支払うテレビ局が中継を編成できない可能性も出てくるという。
それらの対応策として、ポストシーズンの短縮だけでなく、冬でも温暖なフロリダ、アリゾナなどを候補とするワールドシリーズ開催地の固定、7月14日にドジャースタジアムで開催予定のオールスター中止を含め、あらゆる可能性を想定しているものと見られている。