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「健康と安全」を最優先のMLB。
開幕白紙に経済的な問題も。
posted2020/03/31 07:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
KYODO
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、MLBが米国時間3月12日、残りのオープン戦全試合の中止と、同26日に予定されていた公式戦の開幕を少なくとも2週間は延期することを決定した。機構側は「選手、雇用者、ファンの健康と安全以上に大切なものはない」との声明を発表。フロリダ、アリゾナ両州の各キャンプ施設は、一般ファンだけでなく、メディア、選手家族らも全面的に立ち入り禁止となった。
その後、専門家の意見を参考にしながら、機構と選手会が話し合いを継続し、対応を進めてきたが、日ごとに感染状況が変化していることもあり、今後の見通しは立っていない。12日の時点で「少なくとも2週間」の開幕延期を発表した一方、16日にはコミッショナーのロブ・マンフレッド氏が、時期を明確にしないまま、さらに先送りにすることを発表した。同じように開幕を延期したNPBは、無観客ながらオープン戦を継続し、早期開幕の実現へ向けて準備を進めてきた。ところが、MLBの場合、ツインズをはじめキャンプ地から完全に撤収した球団もあり、再度集合し、オープン戦などの調整期間を考慮すると、5月下旬、さらには6月開幕との見方が出始めるなど、事実上、白紙の状態と言っていい。