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監督交代は堂安律を激変させる!?
悩める五輪世代エースの今を探る。
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph byGetty Images
posted2020/03/30 12:00
板倉滉が所属するフローニンゲンとの対戦で、徹底マークされる堂安律。
マークされていた堂安のシュートパターン。
「いつもと違う」左サイドの堂安は、まるで見えない鎖に繋がれて自由を奪われてしまったかのようだった。同サイドのSBリカルド・ロドリゲスや、センターFWサム・ラマースとのコンビネーションも噛み合わず、不慣れなポジションに苦戦した。
しかし、このように“制約”の中でプレーしたことで湧いた『どうやって点を取るんやろ』という疑問の中に、兵庫出身の日本代表MFの今後の可能性が潜んでいるのではないか。
試合中、フローニンゲンのCBとして堂安に対峙した板倉滉は、次のように考えていたという。
「絶対カットインからのシュートだけはやらせてはダメだ」
こうした警戒は、もちろん堂安の最も得意とする「シュート・パターン」を意識してのことだろう。そしておそらく、エールディビジでプレーするほぼ全てのDFが、堂安と対戦する時、板倉と同じように考えている。
右サイドからの「カットイン」を得意とする日本代表MFは、昨年9月29日に敵地で行われたPECズウォーレ戦以来、左足でゴールを決めることができていない。
ヘディングでゴールも経験。
もちろん堂安自身、「カットインからのシュート」ばかりにこだわっているわけではない。昨年12月7日にホームで開催されたフォルトゥナ・シッタルト戦では、ヘディングでゴールを決めている。8分、ステーフェン・ベルフワインの左からのクロスを、頭で押し込んだ。
「プロになってから初めてのヘディングでゴール。フローニンゲンにいた時から練習していたので、嬉しく思いますね。開幕してから、フローニンゲンではトップ下でプレーしていたので、クロスのボールが多くなったのを感じて、得点取るためにはバリエーションを増やしたいなとトレーニングしたので、それが良かったです」