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監督交代は堂安律を激変させる!?
悩める五輪世代エースの今を探る。
posted2020/03/30 12:00
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph by
Getty Images
主戦場を変える時が近づいているのかもしれない。
新型コロナウイルスの影響で、オランダサッカー1部のエールディビジが中断期間に入る前の最後の試合となったFCフローニンゲン戦。3月9日に行われた“古巣”との一戦は、堂安律にとって、後半戦に入って初めて先発した試合となった。
慣れ親しんだ土地に帰ってきた日本代表MFは、フル出場した後で、どこか歯がゆさのようなものを垣間見せた。
「昨日、先発を急に言われて。準備はしていたつもりでしたけど、いつもと違うポジションではありましたし、少しこう……いつもどおりのプレーができたかというと、そうではなかったところもあります。ただ、今必要なことはやったと思いますし、もちろんゴールとかね、結果を出せれば良かったですけど、しっかりチームが勝てたことで、まあ、しっかり次に繋ぐことができればなあと思います」
「いつもと違うポジション」。このフローニンゲン戦で、堂安は、定位置の右サイドではなく、左サイドで出場したのである。
「試行錯誤しながらプレーしました」
基本的に利き足の左足がタッチライン際にある状態でのプレーは、「窮屈」だったという。
例えば49分の場面。ペナルティエリアの左の角あたりでボールを貰った堂安は、そこからどのように仕掛けるのか、少し迷いがあるようだった。
これが右の角であれば、左足に持ち替えて、カットインからのシュートを打つことができる。しかし、反対のサイドでは、その得意とする「シュート・パターン」に持ち込むことはできない。少しフェイントを入れた堂安は、結局、左足でシュートを打った。放たれたボールは、ゴールの右に外れた。
「窮屈でしたし、どういうシュート・パターンがあるのか自分も分からないまま、こう……試合に出ていました。縦行ってシュート、っていうのもあんまりこう……『どうやって点を取るんやろ』って思いながら、試行錯誤しながらプレーしました」