箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
駅伝のない春、大学陸上部は何を?
意外に重要な「トラックシーズン」。
posted2020/03/15 11:40
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Yuki Suenaga
長距離をメインとする大学の陸上部には大きく分けて、3つのシーズンがある。
トラックシーズン、ロードシーズン、駅伝シーズンだ。
箱根駅伝が終わった後から3月いっぱいまでの期間をロードシーズンという。1月から3月は気候的に長距離を走るのに適しているのでマラソン、ハーフマラソンなどのロードレースが数多く開催されており、選手たちはそれぞれ目的を持ってレースに参戦する。レースに出ない選手たちは、青学大のように合宿を組んで主に距離を走る練習に取り組む。
今回は新型コロナウイルスの影響で中止になったが、例年3月には学生ハーフがある。学生がガチンコで戦う熱いレースだ。このレースでロードシーズンに終わりを告げ、4月からトラックシーズンへと突入していく。
トラックシーズンとは、その名の通り1500m、3000m障害、5000m、1万mなどトラック種目が活動のメインになる期間だ。個人種目なので種目別に分かれて、一定のレベルを越える選手だけで練習することが多くなる。全体練習もトラックで好タイムを出すためにスピード練習が増える時期だ。
トラック組とロード組は別練習。
また、関東学生陸上競技対校選手権(通称:関カレ)や日本選手権に出場する選手は関カレ組、選手権組となり、チーム練習から離れてその種目に集中して取り組むようになる。この時期は各地で大会が行われているので、遠征やレースが重なると、同じ寮に住んではいてもあまり顔を合わせない選手が出てくることもあるという。
一方、ロードがメインの選手はチームのポイント練習に参加しつつ、ロード組だけで短期合宿を行い、箱根駅伝の2、5、6、9、10区を想定して距離を踏む。長い距離を走れる身体を作りつつ、自分のテーマと向き合って練習をつづけることになる。