熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
メッシ&ネイマール出場せずとも、
南米2強の東京五輪世代は超強烈。
posted2020/02/19 08:00

南米予選を勝ち上がったアルゼンチンとブラジル。森保ジャパンにとって大きな壁になるのは間違いなさそうだ。
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沢田啓明Hiroaki Sawada
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REUTERS/AFLO
東京五輪男子サッカー競技に出場する南米代表が決まった。あの2超大国である。
アルゼンチンは2004年アテネ五輪と2008年北京五輪を連覇しており、ブラジルは自国開催の2016年リオ五輪で初優勝。つまり、この両国が直近4大会のうち実に3大会を制覇している。
当然、東京五輪でも優勝候補だ。もし対戦すれば、1968年メキシコ五輪以来52年ぶりのメダル獲得を狙う日本にとって、非常に手強い相手となる。
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東京五輪南米予選は、1月18日から2月9日までコロンビアの3都市で開催された。
南米からの五輪出場枠は、わずか2。欧州からの出場枠が4しかないのと同様、実力からすれば不当に少ない。ただその分だけ激烈な争いが繰り広げられ、非常に見ごたえがあった。
参加10カ国がファーストステージで5カ国ずつ2グループに分かれ、概ね中2日で総当たりで対戦。各グループの上位2カ国がファイナル・ステージへ進み、やはりほぼ中2日で総当たりで戦って2位以内を争う。
つまり、五輪出場権を獲得するにはほぼ中2日で7試合を戦わなければならない。この時期の南米は真夏で、体力の消耗が激しい。過酷な日程の中での激闘だった。
アルゼンチンを統率する19歳CB。
アルゼンチンの主要フォーメーションは、4-2-3-1。高い位置から強烈なプレスをかけてボールを奪い取り、少ないタッチで高速パスを回し、貪欲にゴールを狙う。いつもながら、球際が非常に強い。
守備の中心は、19歳にしてキャプテンを務めるCBネウエン・ペレス(ファマリコン)。洗練された技術を持ち、判断力に優れ、リーダーシップがあり、得点力まである(2得点)。
攻撃の軸となるのは、トップ下のアレクシス・マカリスター(21、ブライトン)。ピッチ全体を縦横に動いてボールを受け、相手守備陣のわずかな隙を見つけて精巧なパスを繰り出し、自らも強烈なミドルシュートを狙う。攻撃の組み立てとフィニッシュを1人でやってのける逸材で、MFながら4得点。この大会のMVPを選ぶとしたら、彼になるだろう。
ただし、他のストライカーはやや精彩を欠いた(五輪では、ここにオーバーエージが欲しい)。
ファーストステージ初戦で地元コロンビアを逆転で下すと、チリ、エクアドル、ベネズエラを倒して4戦全勝。ファイナル・ステージでは宿敵ウルグアイに快勝し、コロンビアも圧倒して6戦全勝で、最終節を待たずして首位突破と五輪出場を決めた。