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アルディージャが纏い始めた地域色。
アカデミー出身の10番、埼玉出身者。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byGetty Images

posted2020/02/14 11:30

アルディージャが纏い始めた地域色。アカデミー出身の10番、埼玉出身者。<Number Web> photograph by Getty Images

残留ラインをコントロールするという大宮の伝説は終わりを告げたが、次なる強烈な個性を身に着けつつある。

10番を託された黒川淳史の存在感。

 湘南ベルマーレから完全移籍した菊地俊介は、ジュニアユースの出身である。同じく湘南から昨シーズン加入した石川俊輝とともに、中学3年間をアルディージャのアカデミーで過ごした。

 2シーズンを過ごした水戸からのレンタルバックとなる黒川淳史は、アカデミー出身選手初の背番号10を背負う。

 チームのシンボルとなる番号はクラブによって様々だが、「10」は誰にでも託せる番号ではない。J1を含めて空き番号としているクラブが意外なほど多いのも、エースナンバーと呼ばれるものの責任と重み、さらには期待の大きさの表れと言っていい。

 背番号10を着ける日本人選手は他クラブにも見つけることができる。それでも、アカデミー出身で地元出身となると、その数は一気に減る。水戸でスケールアップを果たした22歳に10番を託したことは、大宮のチームカラーにあげていいだろう。

21歳以下の選手を起用する追い風も。

 昨シーズンからゲームに絡んでいるアカデミー出身選手もいる。黒川に先んじて水戸で出場機会をつかみ、昨シーズンから復帰した小島幹敏は、2月9日のプレシーズンマッチでダブルボランチの一角を担った。

 プロ3年目となる奥抜侃志は生粋のドリブラーで、背番号が昨シーズンまでの33から11に変更された。昨シーズンは25試合出場5得点の記録を残した彼も、クラブとファン・サポーターの大きな期待を背負うひとりである。

 J2リーグには今シーズンから、『U-21選手出場奨励ルール』が導入されている。シーズン中の21歳以下の日本人選手の総出場時間が3780分──試合数に換算すれば42試合分──以上で、300万円の奨励金を受け取ることができる。

 大宮では奥抜と2年目の吉永昇偉、それに昇格1年目のFW高田颯也がこのルールの対象選手だ。チーム屈指のマルチプレーヤーとも言える吉永は、ルーキーイヤーの昨シーズンから13試合に出場している。高田がポジション争いに食い込んでくれば、3人合計で42試合分以上の出場も近づいてくる。

【次ページ】 親会社よりも、地域とのつながりを。

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