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アルディージャが纏い始めた地域色。
アカデミー出身の10番、埼玉出身者。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2020/02/14 11:30
残留ラインをコントロールするという大宮の伝説は終わりを告げたが、次なる強烈な個性を身に着けつつある。
親会社よりも、地域とのつながりを。
期待は、ある。U-18日本代表に選ばれたこともある高田は、プレシーズンのキャンプからアピールを重ねている。ナシオナル(ウルグアイ)と対戦した2月9日の一戦でも、後半途中からの出場でインパクトを残した。
180センチ、65キロのスラリとした体格は線の細さを残すものの、守備ブロックをしなやかにすり抜けていくドリブルは魅力的だ。ストライカーらしい雰囲気を持っている。
高木監督は「アカデミー出身だから使うということはない」と話しているが、キャリアの浅い選手でも思い切って起用していく。さらに言えば、J2はJ1より試合数が多い。総力戦の色合いは濃くなる。若手選手がチャンスをつかむ可能性はある。
アカデミー出身の選手を増やしながら戦力を整えてきた近年のチーム作りは、大宮というクラブが新たなフェーズへ突入していることを感じさせるものだ。
編成についてもうひとつ加えておくと、埼玉県出身が全体のほぼ半数を占めている。親会社のイメージが先行しがちだったクラブは、地域とのつながりを深めながら独自性を打ち出し、J1への返り咲きを期す。