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ついに実施される「現役ドラフト」。
でもこのままでは選手救済できない。

posted2020/01/24 20:00

 
ついに実施される「現役ドラフト」。でもこのままでは選手救済できない。<Number Web> photograph by KYODO

現役ドラフトの導入を求めてきた日本プロ野球選手会の炭谷銀仁朗会長(左)と大島洋平理事長。最終的に納得できる制度になるか。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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“妥協の産物”という声が聞こえてくる。

 選手移籍の活性化を目的とした「現役ドラフト」(仮称ブレークスルードラフト)が、早ければ今年の7月にも実施される見通しとなった。

 1月21日に行われたプロ野球実行委員会で今季導入への目処が立ったもので、今後は選手会と協議を重ねながら、3月上旬までの合意を目指すことになるという。

 昨年3月の日本野球機構(NPB)とプロ野球選手会(炭谷銀仁朗会長)の事務折衝で、選手会側から提案のあった現役選手を対象にしたドラフトの実施。

 メジャーリーグ機構(MLB)の「ルール5ドラフト」(協約の第5条に記されているからこう呼ばれている)をお手本に、出場機会に恵まれない中堅選手を掘り起こして、活躍の場を得られる移籍の活性化を図るための新制度というお題目だった。

MLBでは大スターに駆け上がった例も。

 MLBではマイナーで燻っていた選手が、この「ルール5ドラフト」をきっかけにメジャーの大スターへと駆け上がって行った例がいくつもある。

 古くは殿堂入りしたロベルト・クレメンテ(ピッツバーグ・パイレーツ)やハック・ウィルソン(シカゴ・カブス)も「ルール5ドラフト」で指名された経験者だ。

 2000年代にミネソタ・ツインズなどで活躍し、2度のサイヤング賞を受賞したヨハン・サンタナ投手もここで指名されたことがブレークのきっかけだった。

 またアルコールと薬物依存症で更生施設入りも経験したジョシュ・ハミルトン外野手は、2006年の「ルール5ドラフト」でシカゴ・カブスに指名されたことをきっかけに、その後テキサス・レンジャーズでオールスター出場を果たす活躍を見せた。

 メジャーでは確かに埋もれていた選手を蘇らせた実績のある制度と言えるのである。

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