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FC今治、外資証券出身社長に聞く。
地元の少子高齢化で運営どうする?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2019/12/18 18:00
ゴールドマン・サックスを退社後、林業などの勉強もしたという矢野社長。J2、J1の基準を満たすスタジアム建設など、大仕事が控えている。
運営費は昨年の約半分。
――2017年9月、ありがとうサービス.夢スタジアムのこけら落としでは5241人の観客を集めました。
ドローン始球式に、クリスタル・ケイのミニライブ、水谷千重子のハーフタイムショーなど盛りだくさんのイベントがありました。今季はだいぶ、にぎやかなイベントが減ったような……。
「あのときはこけら落としというのもありましたし、“サッカーに興味はないけど、何か面白そうだから行ってみようか”という層を呼び込んでいく狙いもありました。今年は昨年に比べてもそういったイベントは少ないですね。
運営費は昨年の約半分になっています。たとえば(イベントで使う)ステージを用意するにも費用が掛かるので、そういった1つひとつを見直して、浮いた分を強化のほうに回しています」
人口減少、高齢化の問題は?
――イベントでサッカーに興味のない人まで集めていた時期から、サッカーをじっくり見てもらおうという段階に入ってきたということですか?
「そういったことも言えると思います。ただ、ファン、サポーターの方の声も聞いて、満員にするためにはどういったことが必要なのかを、しっかりと把握していく必要もあると思っています」
――今治市は2015年の調査で人口16万人弱。人口減少、高齢化の問題も抱えていると思います。スタジアムを歩いてみると、やはり年配の方が多いというのは1つの特徴と言えるのかもしれませんね。
「Jリーグのお客さんの平均年齢に比べて、FC今治は5~10歳くらい高いです。年配の層をターゲットにして仕掛けているということではまったくなく、スタジアムを市民のにぎわいの場としていきたいとする我々の活動に、呼応していただいたというふうに捉えています」