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FC今治、外資証券出身社長に聞く。
地元の少子高齢化で運営どうする?
posted2019/12/18 18:00
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Shigeki Yamamoto
矢野社長は地元・愛媛出身で、東大サッカー部では主将を務めました。卒業後はゴールドマン・サックスで営業マンとして働き、その後、現職に就いています。
岡田会長の右腕が見るクラブの未来とは──。
FC今治の公式サイトには「2025年に目指す姿」が記されている。
会社の項目では「地域の人たちの絆を深め、知恵、信頼、共感など目に見えない資本を大切にする街づくりの核となる」。
フットボールでは「トップチームは常時J1で優勝争いをすると共にACL優勝を狙う」、「地域の人たちに愛され、常に満員のサポーターに応援される」。
そしてビジネスでは「企業理念を達成するために、グローバル展開を含めたフットボール事業、スポーツ/健康/教育を中心とした事業が確立されている」などなど。
5年前に立てた、10年後のあるべき理想の姿。
つまり5年間で四国リーグ→JFL→J3と駆け上がっても、ホッと息をつく暇などない。
岡田武史会長を支えている1人に、東大卒でゴールドマン・サックス出身の矢野将文社長がいる。岡田に誘われて社長に就任し、目標の具現化に向けて取り組んでいる。「目指す姿」への現在地とは――。
シーズンパスは伸びている。
――最終戦の観客動員は3895人でした。収容人数が5000人強だとすると、7割7分くらいの入りになりますね。今季の観客動員数という点では、どういった評価をしているのでしょうか?
「スポーツビジネスの根幹は、満員のスタジアムの創出にあると思っています。Jリーグが満員と定義している8割を我々としても目標に置いていますし、今季は3900人台が3試合、3800人台が1試合と(8割に)届いていない。
まだまだ集客対策に何かが足りていないと考えています。ただ、シーズンパスは昨季969枚だったのが今季は1256枚に伸びました。伸びている手応え、伸びていきそうな手応えは感じています」