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200億円の補強資金よりも頼もしい、
ランパードのチェルシー育成哲学。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2019/12/17 11:40

200億円の補強資金よりも頼もしい、ランパードのチェルシー育成哲学。<Number Web> photograph by Getty Images

エイブラハムらの成長を促したランパード監督。新生チェルシーの長期プランは実を結ぶのだろうか。

現実的なのはチェルシーにいた……。

 対象的に左SBは「不健全」だ。意識が攻撃に偏りがちなマルコス・アロンソは、ベンチ外の急増が信頼失墜を物語る。結果的にレギュラー格となったエメルソンも、3バックが基本だったアントニオ・コンテ時代に、ウイングバックがハマったM・アロンソの控えとしての加入だった。

 レスターから、22歳のベン・チルウェルを引き抜ければ理想的だ。だが、実際のところレスターは16節終了時点で2位。「引き抜き」ではない。ブレンダン・ロジャーズ監督が、好調を支えるチルウェルを手放すはずもない。

 一方、ボーンマスのネイサン・アケ獲得は現実的だ。2年前の放出時に、4000万ポンド(約56億円)での「買い戻し」を可能にする条件があったと言われている。CBでの出場が増えているが、ワトフォード時代は左SBが持ち場だった。

 チェルシーのユースでは本人が好むボランチとして育成され、守備のマルチという付加価値もある。加えて、ランパードにとっては現役時代の後輩、自身が直接知る新戦力候補でもある。

新FW獲得はジルーの移籍後でも。

 攻撃志向の強い指揮官は、「チャンスをものにし切れていない」とも口にしている。これを受けてメディアはティモ・ベルナー(RBライプツィヒ)、フェドル・チャロフ(CSKAモスクワ)、ムサ・デンベレ(リヨン)などを候補に挙げている。

 しかしながら、待望の頼れる「ナンバー9」として、アカデミーから監督の信頼が厚く、ファンの人気も高いエイブラハムが現れた。

 そのエイブラハムが負傷欠場した14節ウェストハム戦(0-1)では、左右両足から正確なシュートを打てるプリシッチが、終盤に「偽9番」役に回るオプションも試された。新FW獲得は、ミヒー・バチュアイに次ぐ3番手とされるオリビエ・ジルーが1月に去ることが決まってからでも良いのではないだろうか?

【次ページ】 200億円より頼もしいランパード語録。

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