酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ロッテのホームランラグーン1年目、
“本塁打赤字”の解消は別の理由も!
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2019/12/07 11:50
ZOZOマリンで数多くの“寿司を握る”レアード。ホームランラグーンの恩恵にあずかる必要のない特大弾も多かった。
若い投手陣も踏ん張っている。
続いては、各投手の被本塁打を見てみよう。
<被本塁打 ※2019年に90イニング以上投げた投手>
・二木康太
2019年 16本(9本)
2018年 9本(6本)
・石川歩
2019年 9本(3本)
2018年 15本(4本)
・種市篤暉
2019年 11本(6本)
2018年 5本(1本)
・涌井秀章
2019年 14本(9本)
2018年 16本(8本)
・ボルシンガー
2019年 14本(6本)
2018年 7本(4本)
・岩下大輝
2019年 14本(8本)
2018年 0本(0本)
確かに本拠地での被弾は増えているが、今年のロッテは二木、種市、岩下と若くて活きの良い先発投手が出てきた。数字で見る限り、彼らの伸びしろが「ホームランラグーン」のハンデを上回ったという印象だ。
「ホームランラグーン」ができれば本塁打も被本塁打も増えるだろう、と予測していたのだが、単純なものではなかった。チームの成長曲線との兼ね合いで結構大きな変化をもたらしていたのだ。
福田、美馬、佐々木が加わるだけに。
2019年のロッテはあと一歩のところでポストシーズン進出はならなかった。打線も投手陣も、改善されたとはいってもソフトバンクや西武に比べれば見劣りがする。
しかしチームは今オフ珍しくストーブリーグの主役になった。鈴木大地こそ楽天に移籍したが、福田秀平、美馬学と渋い実力派の働き盛りをFAでとった。
さらには令和の怪物・佐々木朗希までやってくる。この投手については、あまり早くデビューさせてほしくないと個人的には思うが、とにかく明るいオフとなっている。
「ホームランラグーン」で千葉ロッテの選手が「前向き」になったとすれば、それは重畳である。
また来春も完封、もとい寒風に吹かれつつ、ZOZOマリンでおいしいビールが飲めたらいいなと思っている次第だ。