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着々と強くなるベトナムサッカー。
トルシエが考えるW杯までの道。 

text by

田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byShuichi Tamura

posted2019/12/02 11:30

着々と強くなるベトナムサッカー。トルシエが考えるW杯までの道。<Number Web> photograph by Shuichi Tamura

U-18日本代表との一戦の翌日、リラックスした状況でインタビューに応じてくれたフィリップ・トルシエ監督。

PVFは国際的な活動の拠点となる。

――選手はすぐに馴染みましたか?

「馴染んだ。この1年間、PVFの活動を通じて私は国際大会で成功を収めた。その際には他のクラブの選手も混じっていた。U-14からU-18まで、すべてのカテゴリーにおいてだ。この夏にはU-16チームが日本の大会に参加し、3チームと対戦し2勝をあげた。負けたのはガンバ大阪との試合だけだった。そのとき私は、ベトナムは日本のチームと戦っても十分にやれるという手応えを感じた」

――派遣したのはPVFと他のクラブの混成チームだったのですね。

「混成チームを編成することで、PVFは最高の結果を得ることができた。国際大会では、私は4~5クラブから選手を招集した。クラブもベストプレイヤーの参加を承諾した。2週間ほどトレーニングをして、オランダやベルギー、フランス、日本、韓国、中国などの大会に出場した。この1年というもの、PVFはそうした活動を続けてきた。

 私の使命は、そんなふうにPVFを他のクラブに開放することだった。PVFを限られた小さなアカデミーに留めることではない。私設のアカデミーだが、国家レベルの利益を守るのを旨としている。他のアカデミーと競合するのは事実だが、国際大会の際にはその扉を開放し、他のクラブの選手を融合させて大会に備える。それこそが私がここまでPVFとともに実践してきたことだ。

 だから今回、改めて彼らと活動することになったとき、彼らも私のやり方にすでに慣れ親しんでいた。仕事はやりやすかった」

――そうですか。よくわかりました。メルシー、フィリップ。

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