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“目先”の世論に屈しないドイツ代表。
EUROの結果より大事な、足掛かり。 

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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photograph byUniphoto Press

posted2019/11/27 19:00

“目先”の世論に屈しないドイツ代表。EUROの結果より大事な、足掛かり。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

2014年の栄光から5年、立て直し期間が続くドイツ代表。果たして2020年の欧州選手権で復権なるか。

エース候補ニャブリから漂う自信。

 もちろん選手は「経験のために」大会に出たりはしない。誰だって活躍を願っているし、好成績をあげるために全力で準備に時間を費やす。

 エースと期待されているニャブリは「自信を持って大会に臨むつもりだ。自分たちはまだ若いチームだけど、この1年非常にいいサッカーを見せている、もちろん、うまく勝ち点を取れなかった試合もあったけど、終盤はそれもよくなってきている」と言う。

 そうした選手たちの思いを大事にしながらも、代表監督としてはその3年後のカタールW杯、そして5年先に母国ドイツで開催される欧州選手権をイメージしながら選手選考、起用をしていく必要がある。

もしベスト4進出が叶わなくても。

 3月にはスペインとの親善試合が決まっている。レーブ監督はポルトガルかベルギーともう1試合マッチメイクできることを望んでいるが、いずれにせよ本大会に向けて重要な意味を持つ親善試合であることは間違いない。

 クロースは、「チーム内の呼吸を合わせることが大切だ。正確な流れと感覚を手にすることも。さらに本大会では自分たちが重要な役割を担いたい」と言う。

 またレーブ監督は「自分たちの変革がうまくいっているのかどうか。自分たちの世界における立ち位置は、ビッグトーナメントの後で初めてはっきりする」と語っていたことがある。

 若返りを実現したチームで臨む欧州選手権では、納得のいくパフォーマンスでグループリーグを突破するだけでなく、ベスト4以上が現実的な目標となるはずだ。ただベスト8、ベスト16で終わったとしても、将来性を高く感じる戦いぶりを見せてくれたのであれば、そこからまた辛抱強く歩き出すことができる。

 そのために満足のいく準備をして大会に臨みたい。果たして、ドイツは世界のトップに返り咲くための足掛かりを作り出すことができるのだろうか。

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