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コバチ辞任でバイエルンはどうなる?
後任候補は大物だらけ、あの74歳も。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byUniphoto Press
posted2019/11/12 08:00
コバチ前監督辞任直後のドルトムント戦でバイエルンは快勝。短期的な“ショック療法”は効果があったが、果たして。
規律重視のコバチ監督と選手の軋轢。
アイントラハトを率いていた頃のコバチ監督を知る長谷部によると、コバチ監督は規律を重んじるタイプの指揮官だそうです。
約束事も多く、ロッカールームでの携帯電話禁止など、かなりの制限を設けることもあったとのこと。もちろん、これ自体には何の問題もありません。プロの世界では結果を残しさえすれば、どんな指導方針であっても筋道が通るからです。
ただし、そうしたチームコーディネイトの場合は結果が伴わなくなるとチームの雰囲気がギクシャクするのも確かで、不調時の危機管理が問われたりもします。
今、ドイツのメディアではコバチ監督と選手との間に幾つもの軋轢があったことが取り沙汰されています。でも、これも結果が出なかったことでことさらクローズアップされた事象に過ぎません。
多くの人間が1つの目標を目指す団体競技では、集団内で少なからず問題が発生するのは日常茶飯事。何故成績を残せず、何故失敗したのか。これを客観的に考察しなければバイエルン再建の道は遠のくばかりです。
名監督は多くても“ドイツ語問題”が。
バイエルンは当面の間、アシスタントコーチのハンジ・フリックが指揮を執りますが、少なくとも今年中には正式な指揮官を任命するでしょう。
ドイツメディアの予想ではフリックが継続して指揮を執るケース以外に、元ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ、元アーセナルのアーセン・ベンゲル、元マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ、現アヤックス監督のエリク・テンハーフ、現トッテナム監督のマウリシオ・ポチェッティーノなどの名前が挙がっていますが、どうなのでしょう?
ちなみにバイエルンはかつてカルロ・アンチェロッティを「ドイツ語を介して指導できないから」との理由で解任した経緯もありますが、上記の中にドイツ語が堪能な人物はいません。
かろうじてオランダ人のテンハーフが、ドイツ国境沿いのハークスベルヘンという街の出身なので可能性がありますが、テンハーフ監督は即座に「チームやアヤックスに関わるすべての人たちと強い繋がりを感じている。今季はアヤックスに残るよ」とコメントしています。