コバチ監督の振る舞いを見ると。

　試合終了直後、再びドイツの知人から日本語で「つうごい！！」と送られてきました。これほどまでに「すごい！！」の最上級を表わした表現などあるのでしょうか。シーズンチケットホルダーの彼はまだスタジアム周辺にいると思うので、見つかったらたぶん抱きつかれていたでしょう。

　ミックスゾーンでの取材を終え、少し遅れて記者会見場に入ると、コバチ監督が記者の質問に答えていました。日本のニュースでは自身の去就について聞かれた際に「知らない」と答えたと報道されていますが、それほどそっけない態度ではなかったように感じました。

　時おり笑み（苦笑かもしれませんが）を浮かべて対応するシーンもあり、その振る舞いや雰囲気的に、僕は「すぐにクラブを去ることはないだろう」と思っていました。

ドルトムント戦後の判断かと思いきや。

　しかし、翌日のドイツメディアはバイエルンの話題一色でした。テレビでは午前中から練習場前で現地の様子がレポートされています。ただし、コバチ監督が通常通りに練習へ参加したため一旦話題は小休止に。

　11月6日のUEFAチャンピオンズリーグ・グループステージのオリンピアコス戦と11月9日のブンデスリーガ第11節ドルトムント戦後には、約2週間の国際Aマッチウィークに突入するため、少なくとも“デア・クラシカー”ドルトムント戦の結果次第でクラブ側がコバチ監督の去就を判断すると目されていました。

　しかし夜になって急転直下。ウリ・ヘーネス会長、カール・ハインツ・ルンメニゲ社長、ハサン・サリハミジッチSDとの4者会談に臨んだコバチ監督が辞任を申し出て、それが了承される形でコバチ監督の退任が発表されたのです（皮肉にもその後、バイエルンはドルトムントに4－0で大勝しました……）。

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