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コバチ辞任でバイエルンはどうなる?
後任候補は大物だらけ、あの74歳も。
posted2019/11/12 08:00
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Uniphoto Press
バイエルン・ミュンヘンがニコ・コバチ監督の退任を発表しました。前回原稿で記した復調の予想が、完全に外れてしまいました。穴があったら入りたい……。
コバチ監督解任の引き金となった、11月2日のアイントラハト・フランクフルト戦は現地で取材していました。
バイエルンはDFBポカール2回戦ボーフム戦の勝利から中3日、かたやアイントラハトは同じくポカール2回戦ザンクトパウリ戦勝利から中2日で迎えたゲームでした。両チームの選手層の差異や日程面から、アイントラハトの劣勢は否めないとの予想が大半でした。
コンメルツバンク・アレナに詰め掛けた観衆は5万1500人のフルハウス。今季初となる土曜日開催のホームゲームとあって、サポーターには高揚感が漂っていましたが、期待と不安が交錯したような様子でした。
アラバがCBを務めたのが悲劇の始まり。
この日は長谷部誠も鎌田大地もベンチスタート。アドルフ・ヒュッター監督は、ターンオーバーを決断したようです。すると、本当はシャルケサポーターなのにフランクフルトに住み、そのせいで息子が生粋のアイントラハトサポーターだから仕方なく地元クラブを応援しているドイツ人の知人がメッセージアプリ『WhatsApp』で「マコトはなんでベンチなんだ?」とメッセージを送ってきました。
ヒュッター監督は後日、試合前の時点で今季チーム最長時間出場を続けていた長谷部のフィットネスが100%でなかったこと、さらには昨季のUEFAヨーロッパリーグ準決勝のチェルシー戦で、オリビエ・ジルーと互角のマッチアップを見せたマルティン・ヒンターエッガーにリベロを任せ、バイエルンのロベルト・レバンドフスキを封じる算段があったことを明かしています。
かたやバイエルンは二クラス・ズーレ、ルーカス・エルナンデスらのDFが相次いで負傷離脱していて、CBはベテランのジェローム・ボアテンクと本来はサイドバックのダビド・アラバが務めることになりました。
でも、それが悲劇の始まり……。